今回は料理を通じて異文化の衝突と融合を描いた「マダム・マロリーと魔法のスパイス」(現在公開中)をご紹介する。 本作はリチャード・C.モライスの小説を原作に、スティーヴン・スピルバーグが製作に名を連ね、スウェーデン出身で「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」(1985)、「ギルバート・グレイプ」(1993)、「サイダーハウス・ルール」(1999)、「ショコラ」(2000)等の作品で知られるラッセ・ハルストレムが監督を務め、「クィーン」(2006)のエリザベス女王役でアカデミー賞主演女優賞を受賞したヘレン・ミレンが主人公であるミシュラン1つ星レストランの経営者、マダム・マロリーを演じている。 魂を再生する魔法は万国共通 映画の舞台となったサン・アントナンの位置関係図 映画はもう一人の主人公であるインド人シェフ、ハッサン・カダム(マニッシュ・ダヤル)の回想で始まる。カダム家はムンバイでインド料理店を経