女性記者に対する財務省・福田淳一事務次官のセクシャルハラスメント疑惑に関し、麻生太郎財務相や同省の一連の対応は、セクハラが人権侵害だとの認識が欠如していると言わざるを得ない。セクハラは、圧倒的な力関係の差がある状況で起きることを理解しているとも思えない。新聞労連は同省の対応に強く抗議するとともに、被害者保護のため早急に対応を改めるよう求める。 週刊新潮が福田次官のセクハラ疑惑を報じた際、麻生財務相が当初、事実関係の調査や処分はしない方針を示したことは、セクハラが人権侵害であるという基本を理解していない表れだ。その後、音声データが出てから調査に踏み切ったのは遅きに失しており、国際的にみても恥ずかしい対応であり、看過できない。 セクハラの二次被害を生み出さないためにも、被害者を矢面に立たせないための配慮は調査の最優先事項だ。財務省が、同省と顧問契約を結ぶ弁護士事務所に被害者本人が名乗りでるよう