米国のカントリー歌手ロニー・ダンは2011年、新曲『Cost of Livin’』を収録した。「生活費」を意味するこの作品は、職を求める元工場労働者の姿を切なく歌っている。「銀行からの電話が鳴り始めた/家の戸口には狼どもが待ち構えている」――。求人数をはるかに超える求職者が溢れる未来を感じているのか、彼の意欲的なトーンは絶望感へと成り代わっていく。 同様の叫びは米国中の工業地帯から聞こえてくる。製造業において1999年から2011年の間に失われた職の数はほぼ6万にのぼった。 この規模そのものは特に驚くべきものではない。動きの激しい米国経済においては、毎月およそ500万の就職口が生まれては消えていく。だが米国の主要大学の経済学者たちが最近行った一連の研究から、気がかりな結果が明らかになった。先に挙げた、1999年~2011年に失われた職の5分の1は、中国が競争力をつけたことが原因だった。 こ
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