このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 東京工業大学と青山学院大学に所属する研究者らが発表した論文「動いている人の視線だけを惹きつけるモザイク投影手法」は、動いている人が見るとモザイクがかかったように認識され、止まっている人が見ると通常の画像として認識される視線誘導手法を提案した研究報告である。 公共スペースで歩行者に対して広告を提示する際、目指すのは、その広告の前を素早く通過する間に、立ち止まらせて視線を瞬時に指定の箇所へと導くことである。 この目的のため、研究では動いている人にのみ影響を与え、静止している人には作用しない新しい視線誘導手法を提案している。この手法は、画像の特定
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