事故直後の福島第1原発の視察で、菅直人首相(当時)のあまりにきつい怒鳴り方に、政府の現地対策本部長は、首相周辺に「総理を落ち着かせてくれ」と頼んだ――そんな生々しい証言が出てきた。 当時の現地対策本部長だった池田元久前経済産業副大臣がまとめた手記に登場する内容だ。朝日新聞が2011年12月19日付朝刊で紹介している。 「怒鳴り声ばかり聞こえ…」 「イラ菅」の名で知られる菅氏が、原発事故に関しても様々な状況で怒鳴っていたことは新聞や週刊誌などで報じられているが、内閣の中枢部にいた池田氏が「指導者の資質を考えざるを得なかった」と吐露するまでの菅氏の対応には、改めて注目が集まりそうだ。 池田氏は衆院6期目。2010年の菅内閣発足で財務副大臣となり、福島第1原発事故の発生時は経産副大臣だった。政府の現地対策本部長を務めたが、5月に病気で入院し、ほどなく交代した。11年8月の代表選を機に発足した鹿野