まるで『水』を飲んでいるかのようなスープ。 水道水、雨水、井戸水、清流の水、濁流の水。 東小金井の丼に張られたその水は、例えるならば伏流水だろうか。 大地に降り注いだ水は、様々なミネラルを取り込み、過酷な環境を乗り越えて『技』を持って濾過される。 水には、情報を伝達する力がある。 店主が独立する前に『なぜ独立して店を営業するのか』と質問した。 『家族の為です』 そう迷いなく答えが返って来た。 決して薄いスープという代物ではない。 無駄ではなく丁寧な仕事が、そして店主の人柄が創り出した、らーめん。 誰もが簡単に作れる訳ではない。 単純で、でも、極めて難しくもある。 遅咲きの桜は、大輪を纏い、多くの人々を笑顔にするだろう。