ルネサス モバイルの川崎郁也社長は、「今後数年のうちに、世界市場でQualcommと肩を並べる」と公言してはばからない。その先の展望も描く。LTEチップが自動車やカメラ、ゲーム機などに搭載され、クラウドサービスにつながる――そうした新たな時代の覇者を目指すと意気込む。 ルネサス モバイルの代表取締役社長を務める川崎郁也氏は、日本人経営者のステレオタイプ――寡黙で遠慮深く、考えを読み取りにくい――とは対照的だ。次々に課題を見つけ出し、解決に向けた取り組みをどんどん進める人物である。 同社は、ルネサス エレクトロニクスのモバイルマルチメディア事業と、Nokiaのワイヤレスモデム事業が統合し、2010年12月に誕生したモバイル半導体ベンダーである。従業員は世界で約1900名に達するが、そのうち日本人は550名にとどまる。発足わずか半年ながらも、ルネサス モバイルは既に業界を波立たせる存在になって
![世界市場でシェアを10倍に](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0b67d83c6dd690aea0cf7edfe50313da11aa15fe/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimage.itmedia.co.jp%2Fee%2Farticles%2F1106%2F07%2Fl_chart1_052611.jpg)