だいぶ前に「デザインの敗北」というテーマが話題になりました。某コンビニチェーンのコーヒーマシンに多くの補助テキストが貼られていた件など、さまざまなサンプルがあげられて、デザインの敗北が語られていました。 それらの話を横目で眺めながら、「デザイン、特に情報を伝えるためのデザインは、文化の共有があって初めて、力を発揮するのではないか?」「あるデザインを本気で浸透させようと思うなら、子供を育てるように、長期計画を立ててじっくりと育てて行くことが必要ではないか?」と、つらつらと考えていました。その根拠の一つが、以下のエピソードです。 文字ありの非常口サインから マークだけのサインへ学生時代に少しだけ師事した太田幸男先生は、非常口のマークをデザインされた方でした。 当時、1990年代前半の非常口表示は、必ず「非常口/EXIT」という文字とともにマークがあり、かなり大きめの横長サインボードがほとんどで