昨日の続き。大学入試問題の論述字数を考える際,もう一つ論点になるものがある。1小問の字数である。小問別で考えた場合,大論述問題の有無は影響が大きい。150字程度までの字数で問われる論述問題は,一部の例外を除くと辞書的な説明や,教科書の1ページに収まる範囲の叙述が求められるものが多い。これに対して200字を超える問題は,散らばった複数の時代や地域を叙述させたり,比較させたり,歴史的意義を解答させたりするものが多い。後者を受験業界で一般に大論述と呼ぶ。 大論述と小論述の違いは長距離走と短距離走のようなもので,鍛え方も異なってくる。たとえば,東京大学の世界史の入試問題は,600字程度の大論述1問,60~120字程度の小論述が5・6問,一問一答の語句記述問題が約10問という構成で,総論述字数は1000字前後である。それぞれで大論述では大風呂敷の文章構成力,小論述では端的にまとめる能力,語句記述では