「しかし」という言葉を使えば自分の主張に厚みを持たせることが出来る。譲歩構文と言われる。「たしかにAである。しかしBだ」という形だ。この場合、重点はもちろん「B」の方にある。「B」を主張したい時に、単純に「B」を主張するよりも、「A」という対立軸を入れることで「自分とは違う意見も承知している」と言うことを示すことが出来て、受験では高得点が与えられる。 もちろん物事を論じる時にはこの形は基本だ。逆に読み取る時には「A」ではなく、「B」に論者の主張の中心がある。 「確かにAかも知れない。しかしBである」という形の文では「B」に論点の中心がある。むしろ「A」は「B」の引き立て役でしかない。 「加害者は悪い。しかし被害者にも責任はなかったか」 この文では被害者の非を論うことに論点の中心が置かれている。この文が意味するのは、加害者の弁護である。加害者の問題点を指摘することにはならない。 「被害者にも