さすがに、人数を明記して「旅団命令で捕虜を殺した」と書いてある戦闘詳報の存在を前にしても否認し続ける人びとを相手にするのは疲れてきたが、ぼちぼち私なりのまとめをば。なにが南京事件否定論を育てる温床になっているのか? まず第一に、南京事件のスケールの大きさである。通常の日本人が学校教育で学ぶのは、「南京で日本軍が悪いことをやり、たくさんの中国人(教科書によっては「20万人ともいわれる」などの表現も加わる)が殺された」という程度のことでしかなかろう。なにしろわが日本政府の公式見解も「旧日本軍による南京入城後、非戦闘員の殺害または略奪行為などがあったことは否定できない」と素っ気ないのだから。 4万人とか10万以上とか、まして20万、30万人が亡くなるというのはおよそ非日常的なことであり、人間はそうした事柄を簡単にイメージできるようには進化してこなかった。では南京事件のスケールとはどのようなものな
あの件についての「まとめ」らしきもの 「らしきもの」では HALTAN氏も落ちつかないだろうと思うので、彼の感嘆すべき自己欺瞞も含めて指摘して「らしきもの」を外せるようにしましょう。 (1)そもそも、今回のトリアージネタからホロコーストは語り得るか? 仮に語り得るとして、(fuku33先生には失礼な申し上げ方になるが)「たかが」経営学者に何を求めているのか? さて、言うまでもないことだがなにごとかについてホロコーストを参照しつつ語りうる/語り得ないということと、ホロコーストを参照せずに語りうる/語り得ないということとは別問題だ。私がこの件について最初にエントリを書いた際にはホロコーストを参照していなかったし、私が知るかぎり「どうやったってホロコーストをひきあいに出さねば語ることができない」と主張した人間はいない。で、HALTAN氏は「ホロコーストは語り得るか?」ってな問いを立ててしまった
「ユークリッドのかの美しき第一命題!」亀が夢見心地でつぶやいた。「ユークリッドを敬愛しておいでで?」 「熱情的にな! 少なくとも、今後数世紀のあいだ日の目を見ることのない論文を崇拝しうるかぎりにおいてだ」 「さて、それでは、その第一命題の論法をほんのちょっぴり取りあげましょう。--ほんの二前提、そしてそこから引き出される結論です。どうぞノートにご記入ください。それから、言及するのに都合のいいように、それぞれを(A)、(B)、(Z)としておきましょう。 (A)--同一のものに等しいものはたがいに等しい。 (B)--この三角形の二辺は、同一のものに等しい。 (Z)--この三角形の二辺はたがいに等しい。 ユークリッドの読者なら解するでしょうが、(Z)は(A)と(B)から論理的に導かれ、それゆえに(A)と(B)を真と認める者なら誰しも(Z)を真と認めなくてはなりませんね? 「むろんだ! ハイスク
この映画を単純な「反日映画」として観るためには相当な認知の歪み(あるいは映画そのものに決して正面から向き合うまい、という堅い意思)が必要だな、というのが第一印象。靖国翼賛映画でなければそれは反日映画だというのであれば、そう考える人間の「日本」概念が歪んでいるというだけのはなし。パンフレットに収録された対談によれば、東京は李監督にとってすでに「一番長く住んでいる場所」になってしまっているとのことだが、別館の方でも以前に書いたように、皿洗いなどから始めて長年日本で生活し映画をつくってきた人間が日本への憎悪のみで貫かれた映画を撮るなどといったことは、もともと蓋然性としてまずありそうにないことであるわけだ。別の言い方をすると、「何の先入見もなくこの映画を見た人間が、首相の靖国参拝に反対したくなるよう誘導される」映画にはとても見えなかった、ということ。公開前にあのような形で話題になってしまったため、
1. 認知科学と倫理・概説(Mark JOHNSON 1998による) 1.1. なぜ認知科学は倫理(学)にたいして含意を持つのか? 道徳の伝統、道徳理論はすべて、「心のはたらき方」についての特定の見解を前提としている。それゆえ、今日において人間の認知に関する主要な知識源である認知科学は道徳哲学にとって次の2つの点で決定的な重要性を持つ。→心のはたらきに関する「である」と道徳性の「べし」をつなぐ。認知科学は個別の状況において「いかに行動するか」を明らかにするわけではないが、道徳的な理解に貢献する、すなわち人間の本性はどのようなものであり、また知的、批判的な道徳判断、道徳的行動に必要なのはなにかを明らかにすることを通じて、規範的な意味合いを持つようになる。 a) まっとうな道徳の体系は概念、推論、および道徳心理moral psychologyに関する理にかなった想定に基づいていなければなら
この件についてエントリ書くためにきちんと情報収集したら、buyobuyoさんじゃないが憤死しかねないので最少限のことを。 橋下徹のLawyer’s EYE 2007年 09月 22日 「原告らのあまりにも身勝手な法律上の義務」 僕は、被告人が差戻し審において主張を変遷させたことに、被害者遺族がそして社会が大きな疑念を抱いたのだから、弁護団はそのことについてきちんと説明すべきで、それを怠ったことが弁護士会の信用を害し、弁護士としての品位を失う行為として懲戒事由にあたると主張した。 (…) それについて、弁護団の一部の弁護士(僕を訴えてきた原告ら)は、弁護団にそのような「法律上の義務」はないと言ってきた。そんな義務を持ち出す橋下の考え方は業界内での笑い話だと。 (…) それでね、今回の裁判で、原告ら代理人に対して、僕が作成した書面をうちの事務員がファックスした。だいたい90枚。ファックスするの
今晩のクロ現は、現代のニッポンの漁業を取り巻く問題を、的確に報道していた。やり方があまりに古すぎるので、安物しか獲れない構造になっているのだ。 ニッポンの漁業の低迷ぶりは、涙なしには語れない。往時は1000万トンを超えた沿岸漁業の漁獲高は今や400万トン以下。それも低価格品しか獲れていない。 NHKは、それはニッポンの漁獲量「早い者勝ち」ルールに問題があるという。漁民の漁獲高は総トン数で規制されるので、みんな争って小さな魚でもいいからなんでも獲るのだ。一方、ノルウェーでは「船舶割り当て総トン数規制」になっているので、漁民は高く売れる魚を選んでじっくり漁業をするという。これが掲題の単価の違いとなって現れている。 クニヤは例によって、ニッポンの漁業の低迷は韓国や中国の漁船のせいだという方向に持っていこうとしていたが、見当違いだ。人件費の違いではさらさらない。ノルウェーの人件費の高さは世界的に有
今朝の朝日新聞に「「当て逃げ動画」ネット公開で波紋 車所有者は会社クビ」という記事が掲載されている。 インターネット上の動画投稿サイトに「当て逃げ」被害にあった瞬間の動画が掲載され、騒動になっている。映された加害車両のナンバーから所有者が割り出され、個人情報がネットでさらされた。所有者の勤務先の会社には電話などの抗議が殺到。同社は所有者を解雇し、ネット上で謝罪した。検挙できていない警察へも批判が向けられている。 (…) 動画投稿サイト「ユーチューブ」に6月中旬に投稿され、25日午後11時までの閲覧数は57万件超。ネット掲示板2ちゃんねるや様々なブログなどで話題になった。 同掲示板や警視庁竹の塚署などによると、事故は昨年10月、東京都足立区内で起きた。同署は、被害者が車載カメラで写していた動画の提供を受けて加害車両の所有者から事情を聴くなどした。所有者は車を当時貸していて誰が運転してい
このエントリのコメント欄でほっけさんから教えていただいた2chミステリー板のスレ。旧日本軍の戦争犯罪を率直に認めたら保阪正康だろうが秦郁彦だろうがかたっぱしから左翼認定するような連中は、左翼からみればもうギャグでしかないんで、むしろ保守を自認する人々こそなんか手を打つべきでしょう。 それにしてもひどいなぁ…と思うのはこういうやつ。 18 名前: 名無しのオプ Mail: 投稿日: 06/02/25(土) 21:50:15 ID: uCrBmQIl >>16 別に京極夏彦氏個人のイデオロギーにまで口を挟む気はないが、 作品中で無批判に左翼思想を垂れ流すというのは如何なものかと言ってる。 本宮ひろしの「国が燃える」がどうなったか知っているか? (後略) 22 名前: 名無しのオプ Mail: sage 投稿日: 06/02/25(土) 23:09:34 ID: N3PhE7Lc あったか、
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