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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (17)

  • 減税の昔ながらの嘘 - himaginary’s diary

    トランプ減税案を叩いていたクルーグマンが、昔ながらの共和党の嘘も顔を見せ始めている、と警告している。 その一つが、富裕層が税金の大部分を納めているのだから、減税の恩恵の大部分を受けても当然だ、という議論である。クルーグマンは、この議論は中間層向けの減税というキャッチコピーと矛盾している、と皮肉りつつも、その話は連邦所得税については成立するかもしれないが、連邦税としては大部分の人にとって所得税よりも多い給与支払税は実際には逆進的である、と指摘している。また、それなりに負担割合の高い州・地方税は明らかに逆進的であり、税全体を考えると負担比率は所得比率からそれほど外れていない、としてこちらのサイトから以下の図を示している。 もう一つが、レーガン減税によって米経済は3%以上の高成長を達成した、という議論である。それに対しクルーグマンは、クリントンのみならずカーターも在任期間中の成長率は3%を超えて

    減税の昔ながらの嘘 - himaginary’s diary
    D_Amon
    D_Amon 2017/11/04
    「クルーグマンは経済成長への人口動態への影響を以前から重視しており」正しいと思う
  • 最低賃金を引き上げるべき理由 - himaginary’s diary

    引き続き最低賃金ネタ。Economist's ViewのMark Thomaが、theFiscalTimesで最低賃金引き上げを訴えている。 彼の論旨は概ね以下の通り。 労働市場での賃金決定は、経済学の教科書通りに労働者の限界生産力に等しくなるように決まるわけではなく、労働者と経営者の交渉力によって決まる。 労働者の生産性が上がって製品の付加価値が増えても、追加収入の大部分が経営側に渡ってしまった、というのが近年起きたことであり、それが格差拡大にもつながった。 労働者側の交渉力を引き上げる一つの方法は組合。だが、右派の政治家が制定した法律や、企業が海外もしくは組合の力が弱い州に移転する能力により、組合の力は損なわれている。 労働者側の交渉力を引き上げるもう一つの方法は最低賃金引き上げ。最低賃金労働者は元々交渉力が乏しいが、最低賃金引き上げはその乏しい交渉力の代わりとなる。 最低賃金引き上げ

    最低賃金を引き上げるべき理由 - himaginary’s diary
    D_Amon
    D_Amon 2016/03/11
    需要を増やしたいなら分配率を上げればいいのに、それを拒絶するから需要が低迷して全体で見れば不利益になることを意識した方がいいと思うよ。経営者側の個別最適脳な人は。
  • 非経済学者がよくやる間違い - himaginary’s diary

    今日は、3/12エントリへのokemosさんのブクマで教えてもらったデビッド・レオンハートのEconomix記事を紹介してみる。ここでレオンハートは、左右両派の非経済学者がよく持ち出す根拠薄弱な主張をリストアップしている*1。リストの各項において張られたリンクは、そうした主張を論破する根拠、とのことである*2。 まずは左派の非経済学者の主張から。 経済成長には長所と同じくらい短所もある。 製造業の崩壊は経済の大問題である*3。 教育は過大評価されている。 経済は以前より変動性を増している。 規制緩和は悪(そしてグラス=スティーガル法の撤廃が金融危機をもたらした)。 国際貿易は悪。 人口過剰は問題。 昨年の医療改革法案は保険会社への寝返り(あるいは、真の医療改革には「公的保険のオプション」が必須)。 今日の暮らし向きは以前より悪くなっている。 続いて右派の非経済学者の主張。 税率は経済成長の

    非経済学者がよくやる間違い - himaginary’s diary
    D_Amon
    D_Amon 2011/03/16
  • 右派系経済学者がよくやる間違い - himaginary’s diary

    昨日紹介した左派系経済学者のよくやる間違いと対の形で、タイラー・コーエンが右派系経済学者のよくやる間違いを提示している。以下はその拙訳。 現在の経済環境において、過度のインフレないしハイパーインフレへの恐れを抱いている。また、2〜5%のインフレのコストをしばしば過度に評価している。 経済成長の源泉と駆動要因について我々が知っていることは、認めたくないほど少ない。この問題について追求を受けると、東独対西独のような、極端な差異が生じた比較的単純なケースの引用に頼ってしまう。 税率の引き下げは言われているほど経済発展を促さない。少なくとも、租税負担率が「GDPの50%ないしそれ以下」の範囲においては。 温暖化問題には、その大部分が経済学上の問題ではないにしても、言及しないことが怠慢に映るような経済関連の問題が数多く存在する。 医療貯蓄口座は個人的には大賛成だが、シンガポール並みの規模で実施され、

    右派系経済学者がよくやる間違い - himaginary’s diary
    D_Amon
    D_Amon 2011/03/16
  • 左派系経済学者がよくやる間違い - himaginary’s diary

    昨日のエントリへのokemosさんのブクマで教えてもらったが、ケビン・ドラムが、タイラー・コーエンの挙げた左派系経済学者のよくやる間違い14項目に逐一突っ込みを入れている。ちなみにケビン自身は左派系と自認している(ただし経済について論じることはあるが経済学者ではない、とも断っている)。 以下はその拙訳(連番の付いた段落が元のコーエンの文章で、その下のインデントされたブレット・ポイント付きの段落がドラムの突っ込み)。 査読付き論文で示された実証結果を遥かに超える水準で貨幣が政治において意味を持つ、と述べる。 査読付き論文で示された実証結果が間違っているのではないか。それらでは貨幣の力学が政治に持つ意味をすべて捉えきれていない。 政府支出を個々の計画というベースで評価し、財政全体を一連の統合勘定として捉えようとしない。「社会保障」という名の下で別口の評価を行ったり、あるいは別口の評価で裁量的支

    左派系経済学者がよくやる間違い - himaginary’s diary
    D_Amon
    D_Amon 2011/03/13
  • 失業に関する5つの神話 - himaginary’s diary

    WapoのFive mythsシリーズで、米国の経済政策研究所(Economic Policy Institute)のHeidi Shierholzが失業について書いている。以下はその要約。 失業手当ては人々に職を見つけにくくする 失業手当は、そもそもは解雇された労働者が自分の技術と経験に見合った職を見つける息継ぎの時間を与えるのが目的。しかし、今は息継ぎというよりはライフラインになっている。 確かに失業手当を打ち切れば失業者は必死に仕事を探すだろうが、今はその仕事が存在していないのだ。 失業保険は景気回復に寄与していない 失業者を支援するのは、職を創出する最も効果的な手段。というのは、失業者にとって、失業手当を料や家賃といった生活必需品に費やす以外に選択肢は無いので。 筆者(=Shierholz)の推計によれば、2009年の景気対策(ARRA)のうちの失業補償は、他に支出に回した場合に

    失業に関する5つの神話 - himaginary’s diary
  • レーガノミックスは経済成長をもたらしたか? - himaginary’s diary

    サムナーとクルーグマンがレーガン時代の改革を巡って軽く火花を散らした。両者の言い分を簡単にまとめると以下の通り。 クルーグマン([http //krugman.blogs.nytimes.com/2010/05/23/the-bestest-generation/:title=5/23補足]):レーガン政権時代に新自由主義的な構造改革が実施されるまでは、ニューディール期に導入された規制によって経済に足枷が嵌められていた状態だった、と右派の人々は言う。しかし、家計所得の中位値を見てみると、むしろ戦後からレーガン政権誕生前までは生活水準の向上が見られ、レーガン政権以降は停滞していることが分かる。 サムナー でもレーガン期以降の米国の経済パフォーマンスは、世界の他の国よりも良かったよ。 あと、1973年以降の成長率低下については、技術革新の問題が与って大きかったと思う。たとえば1927年にリンド

    レーガノミックスは経済成長をもたらしたか? - himaginary’s diary
  • サムナー「日銀の量的緩和は大成功だった」 - himaginary’s diary

    先月半ば、エコノミストが日銀の量的緩和について取り上げた(溜池通信やThe Gucci Postでも取り上げられているほか、石町日記さんもつぶやかれている)。そこでは当時の量的緩和政策の効果について否定的な見解が示されていると同時に、日銀エコノミストの白塚重典氏の研究が紹介されている。 この記事にスコット・サムナーが反応し、同記事が量的緩和の失敗の証拠とした以下のグラフを見て、「これはむしろ成功の証ではないか?」というブログエントリを書いた。 サムナーの論旨は以下の通り。 日銀は弱虫の集団ではない。彼らは「物価安定」を目標にし、まさにそれを手に入れた。2001年3月に開始された量的緩和は、すぐには物価下落を止めなかったものの、それは2001年の弱い経済と、それに対するCPIの反応ラグで説明できる。2001末に98に達したCPIは、その後6年間、上下ほぼ0.7%のレンジで推移した。これはま

    サムナー「日銀の量的緩和は大成功だった」 - himaginary’s diary
  • 軍事支出は景気に逆効果? - himaginary’s diary

    以前、ロバート・バローが第二次世界大戦時の支出から財政乗数を計算し、クルーグマンの批判を浴びたことを紹介した*1。その後のバローの動きはあまりフォローしていなかったが、ふと気がつくと、先月末のvoxeuで、バローが国防費を元に乗数効果を推計した共著論文を紹介していた。それによると、推計された乗数効果は0.6から0.8の範囲であり、非国防費の乗数効果も似たようなものだろう、とのことである。なお、非国防費の乗数を直接推定することを断念した理由としては、明らかに存在する内生変数の問題を解決する手段が無いため、と述べている。 このバローの記事を意識したかどうかは分からないが、ワシントンブログで、軍事支出は景気刺激にむしろ逆効果、という論考が2つ紹介されていた。 一つは、「多額の国防支出は失業につながる(Massive Defense Spending Leads to Job Loss)」と題され

    軍事支出は景気に逆効果? - himaginary’s diary
  • なぜ中央銀行は資産を保有するのか? - himaginary’s diary

    昨日に引き続き、Nick Roweの中央銀行に関する考察を紹介する。 10/31のエントリで彼は、中央銀行が資産を保有する理由について論じている。 彼は、その理由に関する誤った説明として、発行する紙幣の通貨価値を裏付けるため、という考えを槍玉に挙げている。その裏付け説の誤りとして、以下の3つを挙げている。 中央銀行の保有する資産は通常ほとんどが名目資産であり、負債である通貨と同じ単位である。ここで、物価が一夜にして倍になり、貨幣の実質価値が半分になったとしよう。中央銀行の保有する名目資産の実質価値も半分になる。つまり、通貨とその裏付けとなるとされる資産の等価性は、物価が倍増したとしても破られない。従って、裏付け理論から物価水準を導き出すことはできない。裏付け理論の主張するように、資産が通貨価値を裏付けることによって物価水準を維持できるのは、その資産が実物資産の場合のみである。しかしその場合

    なぜ中央銀行は資産を保有するのか? - himaginary’s diary
  • 米国で初めて女性労働者数が男性労働者数を上回った本当の理由 - himaginary’s diary

    というエントリが先週10/24のワシントンブログに立てられていた(原題は「The Real Reason That - For the First Time Ever - More Women are Working Than Men」)。 そこでは、ジョン・F・ケネディの姪であり、アーノルド・シュワルツェネッガー夫人であるマリア・シュライバー(Maria Shriver)の報告について触れている。そのシュライバー・レポートによると、史上初めて、米国の労働者の半数以上が女性になったという。また、共稼ぎも含め、米国の3分の2の家庭で母親が稼ぎ手になっているという。 これは一見、男女平等の証として慶賀すべきことのように見えるが、必ずしもそうではない、とワシントンブログは指摘する。というのは、実はこの現象は、金融危機の影響による失業が男性に集中した結果だからだ。また、女性労働者が増えたといっても

    米国で初めて女性労働者数が男性労働者数を上回った本当の理由 - himaginary’s diary
  • 国防は公共財ではない? - himaginary’s diary

    ブライアン・キャプランが、公共財の典型例として良く挙げられる国防力が、実は公共財ではないということを証明している。 その証明とは以下の通り。 国防力が公共財であるためには、(定義により)その存在の社会的便益が社会的費用を超えなくてはならない。 国防力の社会的便益と社会的費用は、(定義により)人々が支払いたいと思う額の総和である。 平均的には、人々が自らの身の安全のために支払いたいと思う額は、他人の身の安全を減少させるために支払いたいと思う額よりも多い。(ここ重要;これを限定悪意性と呼ぼう) もしどの国も国防力を持たなければ、人々の平均的な身の安全は現在よりも高まる。というのは、どの国においても、国防力によって抑止する危険とは、他国の国防力による攻撃だからだ。 (4により)国防力の存在は人々の平均的な身の安全を減少させる。そして、(3により)人々が自らの身の安全を増加させるために支払いたいと

    国防は公共財ではない? - himaginary’s diary
  • サムナー「日銀は金融経済学を理解していないか、-1%のデフレを政策目標に置いているかのどちらかだ」 - himaginary’s diary

    20日のエントリでWCIブログコメント欄での小生とサムナーのやり取りについて書いたが、実はその後もやり取りを続けていた。どうも彼のケインズならびにクルーグマンの理解に納得できなかったので、小生がコメントを続けたのに対し、サムナーも根気良く応答してくれたので、そのピンポンが今に至るまで続いているという次第。 (当該エントリをポストしたNick Roweや管理者のStephen Gordonにとっては迷惑な話だと思うが…。サムナーのブログにも戦線を広げたこともあり、そろそろ終息させたいとは思っているのだが。) 残念ながらケインズ/クルーグマンに関する理解の差は今のところ埋まっていないが、その過程で日銀の政策に関するやり取りがあったので、参考までに紹介しておく。 サムナー、 June 27, 2009 at 04:30 PM *1 日は平均して-1%のデフレだった。我々は平均して2%のインフレ

    サムナー「日銀は金融経済学を理解していないか、-1%のデフレを政策目標に置いているかのどちらかだ」 - himaginary’s diary
  • 学界の最先端の金融経済学がほとんど使い物にならんという不幸 - himaginary’s diary

    一昨日のエントリで概要の紹介だけに留めたBuiterの中銀のエコノミストに対する評価だが、やはり面白いので該当の段落とその拙訳を紹介しておく*1。 The Monetary Policy Committee of the Bank of England I was privileged to be a ‘founder’ external member of during the years 1997-2000 contained, like its successor vintages of external and executive members, quite a strong representation of academic economists and other professional economists with serious technical training

    学界の最先端の金融経済学がほとんど使い物にならんという不幸 - himaginary’s diary
  • ケインズ政策としての第二次世界大戦(「現代と戦略」より) - himaginary’s diary

    永井陽之助氏が亡くなった。氏が文藝春秋読者賞を受賞した連載を単行化した「現代と戦略」が出たのは、四半世紀も前のことになる。残念ながら現在は絶版になっているようだが、そのの中で、第二次世界大戦と軍事ケインズ主義を取り上げた文章は、昨今の話題(ニューディールではなく第二次世界大戦が大恐慌を終わらせた云々)に関係すると思われるので、以下に引用してみる*1。 第二次大戦は、ベトナム戦争と雲泥の差で米国民の圧倒的な支持をうけ、国債は羽がはえたようにさばけ、増税への反対はなく、したがって、インフレもなかった。数百億ドルの資金が戦争機構に投入されたが、国民の消費生活になんらの変化もなかった。むしろ逆に、1939年から45年にかけて個人一人あたりの実質消費は11パーセントも上昇した(『歴史統計』225ページ)*2。30年代よりも、40年代のほうが、より多くの大砲と、より多くのバターを同時に増産すること

    ケインズ政策としての第二次世界大戦(「現代と戦略」より) - himaginary’s diary
  • 円安バブル論というバブル - himaginary’s diary

    竹中平蔵氏が以下のように書いている(注:閲覧には無料の会員登録が必要)。 確かに外需の低下がGDPの大幅減少を招いているが、そもそも改革が停滞し、内需が成長しなかったことにこそ、経済悪化の質がある。同時に円安によって外需関連産業が実力以上に拡大していたのを認めなければならない。つまり、米国には住宅バブルが発生したが、日では円安バブルが生まれていたのである。マイナス12.7%という数値は、円安バブルの崩壊も意味している。 日経済新聞 また、伊藤元重氏も以下のように書いている。 ・・・今回の世界的金融危機は、日経済の一番弱い所を突いてきたとも言えるのだ。 最近の10年近い超円安の中で「日で生産して海外に輸出していく」というビジネスモデルがあまりにも拡大しすぎたのである。ある意味では輸出バブルが起きていたと言ってもよいかもしれない。 為替レートの動きを見ると分かりやすいかもしれない。昨

    円安バブル論というバブル - himaginary’s diary
  • スティグリッツ「経済危機に導いた5つの過ち」 - himaginary’s diary

    スティグリッツがヴァニティ・フェアで、今回の経済危機に至る過去の5つの過ちを指摘した。 FRB議長の解任 1987年にレーガンに解任されたポール・ボルカーFRB議長は、インフレ・ファイターであっただけでなく、金融市場への規制の重要性も理解していた*1。そうした姿勢を嫌ったレーガン政権は、彼の首をすげ替え、規制反対論者のグリーンスパンを議長にした。 引き裂かれた壁 1999年11月にグラス・スティーガル法が廃止され、商業銀行と投資銀行の垣根が無くなった。来は商業銀行はリスクに対して保守的な半面、投資銀行は富裕層相手なので高リスク高リターンを狙う、という違いがあり、それゆえに前者は政府による預金者保護があった。しかし、同法の廃止により、投資銀行の文化が商業銀行に持ち込まれ、商業銀行がリスクを取るようになった。 それ以外にも、以下のような動きがあった。 2004年4月にSECが投資銀行の負債比

    スティグリッツ「経済危機に導いた5つの過ち」 - himaginary’s diary
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