路上で本を売る。そう聞いて、どういうイメージを持ちますか? 私は、駅前やなんかでひっそり詩集とか小説を売ったりするようなのを連想する。それはどこかもの悲しいような風景だ。そもそも、どうにも売れそうにない。 さて、近頃本を出した。出版社を通して発行したのではなく、自分たちで印刷して作った。いわゆる自費出版だ。勢い、普通の書店ではなかなか扱ってもらえない。どうしよう。 あ。 気づいた。そうか、路上で本を売る理由って、こういうことだったのか。 (text by 古賀 及子) 路上で本を売る2006 そういったわけで、路上に本を広げにやってきた。 これまで私は路上で本を売るということになんとなくドラマティックなイメージを持っていた。冬の寒い中、夜、恋人やよっぱらいが愉快に通り過ぎる道端にたたずみ、声もかけず、敷物に本を並べてたたずむ感じ。 現実に目を向けてみると、最近では326さん的な「いい言葉」