カッダーフィが、粘っている。 エジプトでの「革命成就」の後、数日後にはリビアでも大規模なデモが発生し、21日には東部にある第二の都市ベンガジが反政府勢力の手に落ちた。その勢いから、カッダーフィの命運も尽きた、との観測が広がったが、それから10日を経た現在、意外にも彼は、しぶとく生き延びている。 リビアは、エジプトやチュニジアほどには簡単にはいかない、ということを示す、いくつかの理由がある。まず、リビアには一切の民主化の経験がない。議会も憲法もなく、ほとんどすべての反政府勢力は国外に出るしか活動の余地はない。カッダーフィ政権は、直接民主主義を基本とし、議員など民意を反映するべき仲介人的存在を否定する。肩書きのない権力者から権力を奪うのは、制度的に難しい。 また、カッダーフィ自身、前政権の王政を倒して、共和制を樹立した現体制の祖である。エジプトのムバーラクは、1952年の共和制革命で成立した軍
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