土星の衛星「タイタン」に興味深い2種類の分子が発見された。一つは地球上の原始的な生物を作る基となったもの、もう一つは細胞膜のような微小な球体を自然に作る可能性のあるものだ。 【2017年8月2日 ヨーロッパ宇宙機関/アルマ望遠鏡】 土星の衛星「タイタン」の大気は窒素とメタンやエタンなどの炭化水素を主成分とし、さらに複雑な有機分子も含まれている。研究者の注目の的となっているこの大気の観測から、生命に関わりがあると考えられる2種類の分子が発見された。 タイタンの上層大気(天然色)(提供:NASA/JPL/Space Science Institute) 発見された2種類の分子うちの一つは「炭素鎖陰イオン」というマイナスに帯電した分子だ。複雑な分子を作る材料であり、地球上で原始的な生物の基礎となったのではないかと考えられている。マイナスの電気を帯びた粒子の仲間(陰イオン)は非常に反応しやすく、タ
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