「裁判期間中はとても不安で、いつまで続くのか本当に心配だった。この状態が続けば、産婦人科医として臨床の場には戻れないと考えていた」―。2004年の「福島県立大野病院事件」で06年に逮捕・起訴され、08年9月に無罪が確定した加藤克彦医師は7月24日、日本医師会総合政策研究機構(日医総研)主催のシンポジウムで、当時の状況や心境について語った。 加藤医師はまず、事件で亡くなった患者に哀悼の意を表明。また、臨床現場に復帰して3年目となり、現在は地域周産期医療に取り組んでいることを報告した。 加藤医師は術中に患者が亡くなったことを「主治医として大変つらい出来事だった」と振り返り、身柄拘束中のことについては「実際は思い出したくもないというのが本音だ」と述べた。取り調べは精神的につらいもので、「いわゆる寿命が縮むという感じ」だったという。 加藤医師によると、身柄拘束中の初めの4、5日は「7番」という