後期高齢者の自己負担率をめぐって世の中賑やかである。 現役の負担を軽くするために後期高齢者の自己負担率を上げろとする主張もあれば、年を取るほど医療費が高くなるので高齢者の自己負担率を上げると医療が受けられなくなるという主張もある。だが、どちらも医療制度を理解していない。それにそもそも医療費を制御するのに自己負担率操作は有効な手段ではない。上げてもワンショットでしか医療費は減らず、すぐに戻るのである。 思惑が入り乱れて、国民は置いてけぼり 医療の自己負担率で低所得者対策をやろうとしていること、それを年齢区分で行っていることは歴史的な遺制にすぎない。公的年金をはじめとした高齢期の所得保障が未成熟だった時代には、年齢は、彼らの生活を保障するために一定の意味はあった。高齢者の低い自己負担率然り、公的年金等控除然り。あらゆる制度に協力してもらいながら高齢者に所得を残して貧困に陥るのを防いでおく必要が
※京都大学大学院教授で、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードに参加する西浦博氏が、2020年11月22日に医療従事者向け情報サイトm3.comに寄稿した記事を転載いたします。 ++++++ 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの第14回(11月19日)会議で、資料3(参考資料)として、内閣官房・内閣府が作成した資料(題:「航空旅客数と感染者数の増加には統計的な因果関係は確認できない」)が公開された(資料は、厚労省のホームページ)。 この参考資料は、以下に記すようにアドバイザリーボード会議では明示的に出すべきでないという議論があったものである。会議資料として公開されたのは事実であるが、まるでこの資料をアドバイザリーボードが認めたと捉えられることは同組織の信頼あるいは科学的な分析能力を毀損しかねないものであると認識している。そこで、私自身が疫学専
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