既報のとおり、12月26日にロシアのサンクトペテルブルグで開かれたユーラシア経済連合の首脳会合に、ベラルーシのルカシェンコ大統領が出席しなかった。ユーラシア経済委員会のこちらのページにその時の様子が出ているが、上掲写真のように、ホストのロシアはベラルーシの国旗の掲出すら許さなかったのだろうか? これはかなり尾を引きそうな対立である。 それで、上記のサイトにも記されているとおり、今回のサミットでは、ユーラシア経済連合の新たな関税法典の調印というのが、メインイベントだった。そして、私の理解する限り、関税法典はもっと以前に採択されるはずだったのだが、ベラルーシの反対、具体的にはベラルーシ領にある経済特区の取扱をめぐって調整が難航し、それで2016年の年末までずれ込んだということだったはずである。 具体的には、こういうことである。従来、ユーラシア経済連合加盟国の経済特区での自動車アセンブリに従事す
少々時間が経ってしまったが、6月30日の『ヴェードモスチ』に出たこちらの記事の要旨をまとめておく。 ◆ ロシア財務省は、税制マヌーバの深化の検討を続けている。これは、輸出関税をゼロまで低め、その代わりに地下資源採掘税を引き上げるものである。問題は、それがベラルーシとの紛争に繋がることだ。輸出関税よりも地下資源採掘税の課税ベースの方が大きいので、ロシアの国庫への歳入は増えるが、ベラルーシとの関係で問題が生じる。 税制マヌーバは、自動的に原油の国内価格の上昇に繋がり、それは製油所の利益率の激減に直結する。ただ、ロシアの製油所に対しては、原油に対する物品税などのメカニズムを通じて埋め合わせることが可能。問題は、ロシアの原油を加工しているベラルーシの製油所に対しては、ベラルーシ政府が独自に支援をしなければならないということだ。 ロシア・ベラルーシとも加入するユーラシア経済連合内では、原油は輸出関税
世間一般の皆さんは、普通、国家というものは輸入に対して関税をかけると考えていると思うが、ロシアはちょっと違い、輸出関税というのもあって、これがかなり重要な歳入源になっている。だいたい、国家歳入を関税で賄うというのは前近代国家の姿であり、増してや輸出に関税をかけるなど、訳が分らないというのが、先進国の経済常識だったわけだ、少なくとも最近までは。だから、ソ連崩壊後、IMFはロシアに対して、輸出関税を撤廃するよう圧力をかけ、ロシアがそれに応じたら、財政破綻して1998年にデフォルトしちゃったわけである。ロシア通の月出さんなんかは、「輸出関税の撤廃をロシアに迫るとは、なんて愚かなことを!」と指摘しておられたが、その不安が的中してしまったわけだ。それに懲りて、ロシアは主要輸出産品に対する輸出関税を復活させ、それによって財政が安定し、現在に至るというわけである。最近個人的に思うのだが、輸出関税は、少な
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