ただ、生い立ちも、その後の生活もかなり特殊で、天才とナントカは紙一重といった危ういイメージがつきまとう。非常に繊細で、しかも、自暴自棄の傾向があると、私は感じる。 私が何年か前に読んだ雑誌のインタビューでは、酒浸りでひどい状態であることが示唆されていたが、その後、また復活し、自作の映画化に際して監督などをしていたようだ。しかし、最近公開された写真は、何となく疲れた路上生活者のように見えた。ただ、目だけは鋭い。 彼の作品の主人公は皆、愛情に飢え、絶望し、性を追求し、悩み、普通の性生活から逸脱し、また絶望する。現代の性の在り方に対する強烈な批判でもある。『素粒子』では、科学上の画期的な発明が為され、生物はセックスなしで生殖できるようになる。ついに性の苦しみから解放された人類は、新しい世界を形成していく。 彼の小説のもう一つの特徴は、反イスラムの思想である。氏自身も、イスラムは一番バカげた宗教だ
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