政府は「一億総活躍」をキャッチフレーズとして掲げている。 国民を「一億」と一からげにする言い方は気味が悪いし、「活躍しろ」というニュアンスにも「余計なお世話だ」と言いたくなるところであるが、目指すところは悪くなさそうなので、ここは、押しつけがましさを我慢するのが正解だろう。女性も、高齢者も、介護が必要な家族がいる人も、能力を発揮して、やりがいのある仕事(稼ぎになる仕事ばかりとは限らない)に注力できる環境ができるとすれば、それは素晴らしいことだ。 さて、私事で恐縮だが、筆者は今年58歳になる(誕生日は5月です)。もちろん、日本の同年代を隅々まで見ているわけではないが、同年代のビジネスパーソンが、前記の意味で存分に「活躍」しているか、というと「もったいない」と思うことがしばしばある。 かつて大企業に入った大昔の「就活」の相対的成功者であっても、筆者のよく知っている業界で言うと、大手商社では55