前原国土交通相は21日、八ッ場(やんば)ダム(群馬県)の本体建設工事について、群馬県長野原町などに対し、地元の住民や自治体の理解が得られるまでは、建設中止に向けた法的手続きを始めない意向を文書で伝えた。 「白紙の状態での話し合い」を求める地元に配慮して法的手続きの「凍結」を打ち出したものだが、建設中止は変わらないとする方針も改めて明らかにしたため、地元が態度を軟化させるかどうかは微妙。問題が長期化するのは必至とみられる。 前原国交相は同町に対する文書の冒頭で、「建設事業を中止する方針は変わりません」と強調する一方、「事業の中止に向けては、最大の被害者とも言える地元住民の方々や関係都県などとの合意形成が不可欠」「地元の方々、関係都県などの理解を得るまでは、法律上の手続きを始めることはしません」と明記した。 特定多目的ダム法では、国交相は、ダム建設を中止する場合、関係都道府県の知事の意見を聞く