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ブックマーク / koken-publication.com (14)

  • 社会学は死ぬまでの極道 弱さに寄り添う エビデンスと理論を【上野千鶴子】

    『公研』2024年5月号 第651回「私の生き方」 (後藤さくら撮影) 社会学者 上野千鶴子 うえの ちづこ:1948年富山県生まれ。京都大学大学院社会学博士課程修了。平安女学院短期大学助教授、シカゴ大学人類学部客員研究員、京都精華大学助教授、国際日文化研究センター客員助教授、ボン大学客員教授、コロンビア大学客員教授、メキシコ大学院大学客員教授等を経る。93年東京大学文学部助教授(社会学)、95年から2011年3月まで、東京大学大学院人文社会系研究科教授。12年度から16年度まで、立命館大学特別招聘教授。11年4月から認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。著書に『資制と家事労働 : マルクス主義フェミニズムの問題構制』『おひとりさまの老後』『ケアの社会学』『女ぎらい ニッポンのミソジニー』等。 「普通の最低な両親」 ──1948年富山県上市町のお生まれです。

  • コロナ禍で考える 飲酒とコミュニケーション【谷口功一】【飯田泰之】

    『公研』2022年11月号「対話」 ※肩書き等は掲載時のものです。 昨今大きく変容している飲酒とコミュニケーションの文化。コロナ禍で飲店への自粛要請、メディアの発信が飲店にどのような影響をもたらし、人々にどのようなコミュニケーションの変化を与えたのか。夜のまちを研究している先生方に、とあるスナックでお話しいただいた。 コロナ禍で変化する人の動き 飯田 オミクロン株の大流行が終息しました。これまでにない大規模な感染拡大になったため家族や自分自身、またはごく身近なところで感染事例が多かった。それが人々の行動自体に変容をもたらしました。今次の感染拡大を経て、未知の恐怖であるコロナに対しての相場観が形成されつつあるように感じています。その一方で、一部の活動はなぜか元に戻っていない。 谷口 2020年のコロナ禍初期は出張もほとんどなく、たまに羽田空港に行くとまるでゾンビ映画でも見ているかのような

    コロナ禍で考える 飲酒とコミュニケーション【谷口功一】【飯田泰之】
  • 武士とは何か【呉座勇一】

    『公研』2022年11月号「めいん・すとりいと」 日史の大きな特色として、武士政治・社会の中心にいた時代が極めて長いという点が挙げられよう。隣国の中国・朝鮮半島においては文官優位の社会が形成されたことと著しい対照をなす。 しかし、そもそも武士とは何だろうか。江戸時代のサラリーマン的な武士はさておくとして、中世の武士をおおざっぱに定義すると、武芸をもって朝廷に仕える職能人もしくは職能集団、といったところになる。 けれども、前掲の定義だけでは、武士がなぜ政治的・社会的影響力を持つようになったか、そして武家政権が何百年も続いたかを、説明することはできない。そのため、日史学界では「武士とは何か」という議論が長年繰り広げられてきた。 ところが、学界で「武士とは何か」を論じる場合、「武士がどこからどう生まれてきたか」という武士発生論、武士成立論に関心が集中しがちである。かつては荘園の中で成長した

    武士とは何か【呉座勇一】
  • 予測手法なき現代の処世術【榎本 裕洋】

    2022年11月号「issues of the day」 1.効く・効かない問題 「西側の経済制裁(以下単に制裁)はロシアに効いているのか、いないのか?」 この質問は三つの意味で難しい。第一に純粋に経済予測としての難しさだ。制裁によってロシアの需給構造は激変し、従来の予測手法は使えない。第二に「効く」の定義の問題だ。経済制裁は経済という「中間目標」を通じて、制裁対象国の内政・外交的行動の変化という「最終目標」を達成する。しかし私が所属する小さな組織でさえ「中間目標・最終目標はそれぞれ何か」という問いに対する組織的合意は得られなかった。定義できない目標を相手に、効く・効かないの議論はできない。第三に信条的問題だ。侵攻当初、私が制裁のロシア経済への効果を疑問視すると、一部の方々からおりを受けた。人間は自分の聞きたいことしか聞かない。このように三つの難しい問題をはらむ「効く・効かない問題」だが、

    予測手法なき現代の処世術【榎本 裕洋】
  • 持たざる国の戦略 日本のエネルギー政策100年を辿る【十市 勉】【岩瀬 昇】

    『公研』2022年6月号「対話」 ※肩書き等は掲載時のものです。 エネルギーをめぐる情勢が激しく揺れ動いている。 資源に乏しい日はエネルギー戦略をどのように描いてきたのか。 戦前から振り返って考える。 顕在化する世界的なエネルギー危機 岩瀬 エネルギー情勢が大きく揺れ動いています。2年前の2020年4月には新型コロナウイルスの蔓延によって需要が急激に落ち込み、先物市場NYMEXにおいて原油価格が史上初めてマイナス価格(1バレルあたりマイナス37.63ドル:WTI)を記録しました。しかし、コロナ禍からの脱却の兆しが見え始めたことから需要が一気に高まり、昨年の秋にはヨーロッパでエネルギー危機に陥ります。さらに今年2月にはロシアウクライナへ侵攻したことで、エネルギーをめぐる情勢はさらに混迷の度合いを増すことになりました。 日では、電力の供給量不足で3月22日には経済産業省が電力の需給逼迫警

    持たざる国の戦略 日本のエネルギー政策100年を辿る【十市 勉】【岩瀬 昇】
    Geheimagent
    Geheimagent 2022/07/01
    面白すぎ!!!!
  • 「プーチンの戦争」が揺らす世界の秩序【鈴木一人】【奈良岡聰智】【細谷雄一】【小泉 悠】

    『公研』2022年4月号「緊急対話」 ※肩書き等は掲載時のものです。 2月24日ロシアウクライナに全面的な侵攻を開始した。 なぜこのタイミングで戦争は始まったのか? この戦争は今後の世界にどのような影響を与えるのだろうか。 なぜ今プーチンは侵攻を始めてしまったのか? 鈴木 2月24日ロシアウクライナに全面的な侵攻を開始しました。事前に兆候が広く伝えられていたにも関わらず、なぜ国際社会はロシアを止められなかったのか。まずはこの疑問が思い浮かび上がりますが、この答えは国際政治学的にはとてもシンプルです。結局のところ、核大国ロシアに真っ向からぶつかり合うことをどこの国も求めていなかった。しかし、戦争を実際に目の当たりにすると、プーチンの判断に世界中が驚かされることになりました。いつ戦争を始めてもおかしくないと見なされながら、実際にウクライナに侵攻したことは意外なこととして受け止められたわけで

    「プーチンの戦争」が揺らす世界の秩序【鈴木一人】【奈良岡聰智】【細谷雄一】【小泉 悠】
  • クリミア併合と新たな国際秩序  日ロ関係への影響 【袴田茂樹】

    ロシアウクライナ侵攻を受け、日が主権国家として、ロシアのような国とどのように対峙すべきなのか。稿は、この最も質的な問題を考えるうえで、今でも示唆に富む内容だと考え公開いたしました。 特別公開するにあたり、袴田先生よりメッセージを頂戴しました。 「2014年4月のロシアによる「クリミア併合」直後の拙論は、今日のウクライナ問題に関しても、そのまま通用すると思います。戦争や紛争を繰り返してきた歴史の生地の部分は、簡単には変らない。むしろ冷戦時代の安定が例外だと述べました。21世紀の現在は、2つの世界大戦を行った20世紀前半と酷似しているとも私は述べてきました。核兵器時代の今日は、簡単には世界大戦は起こせませんが。 公研が再掲載した拙論は、日の対露政策、とくに北方領土問題で「ヒキワケ」発言をしたプーチン大統領への安倍政権の楽天的な幻想や卑屈なアプローチへの反省と、今後岸田政権はそれを繰り

    クリミア併合と新たな国際秩序  日ロ関係への影響 【袴田茂樹】
  • 次の超大国インドから見る世界秩序【伊藤 融】【榎本 裕洋】【田中 洋二郎】

    『公研』2022年2月号「対話」 ※肩書き等は掲載時のものです。 インドへの関心が飛躍的に高まっている。 世界最大の民主主義国は、我々が期待するようなパートナーになり得るのだろうか? 今のインドの行動原理、考え方を探っていく。 インドにはなかなか辿り着けない 榎 インドへの関心が高まっています。特に外交・安全保障の分野ではインド太平洋地域という概念が出てきて、インドの存在が重要視されるようになっています。クアッド(日米豪印)のように、安全保障の枠組みにインドを取り込もうという動きが盛んです。この背景に中国の超大国化があることは、言うまでもありません。 そこまでは、ビジネスの世界にいる我々にもよく理解できます。しかし、「安全保障と同じく、経済の枠組みにもインドを加えるべきだ」という主張を聞くと、インド経済の特性やビジネスのことをどのくらい理解されているのだろうかと疑問に感じることがよくあり

    次の超大国インドから見る世界秩序【伊藤 融】【榎本 裕洋】【田中 洋二郎】
  • 「再イデオロギー化」する 日本政治【古賀攻】【境家史郎】

    『公研』2021年12月号「対話」 ※肩書き等は掲載時のものです。 岸田新政権は総選挙によって信任を得た。いま国民は政治に何を求めているのか、次の論点は何か。また野党はなぜ分裂を繰り返し続けることになるのか。日政治の現在地点を再確認する。 なぜ新聞各社の情勢調査は外れたのか 古賀 今日は総選挙の結果を踏まえたうえで、日の政党政治が置かれた状況や政治の論点、世論の動向などを整理していきたいと思います。今回の総選挙では自民党立憲民主党も14、5ずつ議席を減らしました。基的な構造は変わっていませんが、自民は勝利感を得る一方で、立憲民主は敗北感に苛まれています。立憲民主の枝野幸男さんは代表を辞任して、泉健太さんが新代表に就任することになりました。両党とも議席を減らした点では共通しているにもかかわらず、対照的になっている。こうした状況が生じた背景について境家さんはどう見ていらっしゃいますか。

    「再イデオロギー化」する 日本政治【古賀攻】【境家史郎】
    Geheimagent
    Geheimagent 2022/01/06
    長い! けど、大変勉強になりました
  • 中国はどこへ行くのか ーー成長と安定への三つのリスク【中尾武彦】

    『公研』2021年10月号 中国の政策の変質が国際社会を揺るがす 中国は、2020年のGDPが14兆ドルと世界第2の経済規模を持ち、米国の21兆ドルに迫る勢いだ。日の5兆ドルに比べるとほぼ3倍となっている。2000年に米国経済の8分の1、日経済の4分の1の規模しかなかったことを考えると、中国の政府や国民が経済発展の成果を誇りに思うこともよくわかる。今や生産拠点としてグローバル・バリュー・チェーンの中心的な存在であるだけではなく、先進国、新興国、資源国にとって極めて重要な市場となっている。つまり「世界の工場」であると同時に、「世界の市場」でもある。この性格は、2008年のリーマン危機に始まる世界金融危機、そして今回のコロナ禍のなかでより明白になってきた。 中国は、これまでも、北京オリンピック(2008年)、上海万博(2010年)などの度に、それが終われば高成長は重要な屈折点を迎えるという

    中国はどこへ行くのか ーー成長と安定への三つのリスク【中尾武彦】
    Geheimagent
    Geheimagent 2021/11/16
    勉強になりまくり
  • キューバ紀行--コロナ禍と政府抗議デモの中で【山形浩生】

    翻訳家 山形 浩生 6月16日:東京からキューバへ ギリギリまで査証がおりず、もうこれは延期しかないか、と思ったところで、やっと出発前日にキューバ行きの査証が発行された。やれやれ。ほとんど無人の成田空港から、マスクは義務づけられているとはいえ、ほぼ通常営業に戻っているパリのシャルル・ド・ゴール空港を経て、ぼくは2年ぶりにキューバに向かった。 キューバについてのイメージは様々とはいえ、かなり好意的なものが多い。ある意味でここは、いまだに由緒正しき社会主義を貫き、計画経済を実施している、数少ない、いやほぼ唯一の国だ。キューバは医療と教育は無料で、建前上は生活に困ることもない。豊かではないかもしれないが、格差は少ない理想の国だ。カストロやチェ・ゲバラの共産主義革命の夢を捨てられない人びとは、気でそういうイメージを抱いている。 そしてまた、ヴィム・ヴェンダース監督『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラ

  • 公 研

    会員制月刊誌『公研』の記事の一部を公開しています。

    公 研
    Geheimagent
    Geheimagent 2021/10/19
    このサイトなんかすごいな、今度じっくり読もう
  • カーボンニュートラル論争――何がエネルギー政策の潮流をつくるのか?【穴山梯三】【大場紀章】【山形浩生】

    カーボンニュートラル論争――何がエネルギー政策の潮流をつくるのか?【穴山梯三】【大場紀章】【山形浩生】 『公研』2021年9月号「対話」 ※肩書き等は掲載時のものです。 日政府はCO2排出量を2050年までにゼロにすることを宣言した。この目標は実現可能なのか? なぜ世界各国が脱炭素に向けて突き進むのか? 「カーボンニュートラル」を徹底的に議論する。 気でやるのですか? 山形 菅義偉首相は、昨年の所信表明演説で国内の温暖化ガスの排出量を2050年までに実質ゼロをめざすカーボンニュートラル宣言を表明しました。今日はエネルギーの専門家であるお二人に、私が素人の立場からカーボンニュートラルに関する疑問を投げ掛けていこうと思います。 最初にお二人にお聞きしたいのは、「当にできるの?」「そもそも気でやるのですか?」ということです。エネルギーのことを知っている人に言わせると「ムリに決まっている」

    カーボンニュートラル論争――何がエネルギー政策の潮流をつくるのか?【穴山梯三】【大場紀章】【山形浩生】
    Geheimagent
    Geheimagent 2021/10/19
    勉強になりまくり!
  • ガンダム監督の「敗北者宣言」【富野由悠季】

    『公研』2020年8月号 第 606 回私の生き方 富野 由悠季・アニメーション監督 父への疑念 ──「富野由悠季の世界」展が昨年6月より開催されています(現在中断中、再開は9月の予定)。 富野 今回の「富野由悠季の世界」展で「与圧服」の写真を展示しています。これの開発に父が関わっていて、家に資料が残っていました。 この機会でしかできない話を一つさせてください。父の経歴についてです。父は昔の中学を卒業したあと、東京府立化学工業学校(化工)という専門高等学校へ進んでいます。父のアルバムにあった化工の写真を見ると、3階建てのコンクリート校舎の中央に時計塔があり、石積みの外壁の正面には三つのアーチ状の飾りが施された扉がある立派な建物でした。その前に軍人たちが集まっている写真は、子供の頃は軍の部隊写真だと思っていた。ところが、父は「俺の学校なんだ」と言っていました。 僕はそのアルバム写真を子供の頃

    ガンダム監督の「敗北者宣言」【富野由悠季】
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