「デザインをいかに言葉で表現するか」というのが僕の大きなテーマだ。言い方を変えると「デザインにおける“言葉の力”の探究」となる。 物書きとしての経験からの分析だが、デザインや建築の特長を読みとり言葉で表現するには大まかに言って2つの方法がある。「二項対立」と「類推」だ。 二項対立による叙述は、光と影、人工と自然、中心と周縁、見えるものと見えざるもの、理性と感情、合理主義と神秘主義、対称と非対称など、相反する項目の対立をデザインの中に見つけ出す方法だ。デザイナーは相反する項目の、どちらかを選択したのか? 止揚したのか(つまり、ひとつ次元の高い観点から統合的に問題解決を図っているのか)? 共生を考えているか? 共生の場合、優先しているのは混ぜ合うことか、バランスか、お互いの違いを強調してコントラストを見せているのか? 二項対立による叙述は、対立を見つけ、それがどう解決されたかを言葉によって表
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