花粉症やぜんそく、アトピー性皮膚炎など、すべてのアレルギー症状を抑制する分子を人体内の肥満細胞から発見した、と筑波大大学院人間総合科学研究科の渋谷彰教授らの研究グループが6日付の米科学雑誌ネイチャーイムノロジー電子版に発表した。 アレルギー反応は、花粉やダニなどの抗原と、免疫細胞が作るIgE抗体が、肥満細胞に作用してヒスタミンなどの物質を血中に放出し、炎症やかゆみを起こす症状。 これまでアレルギーに対してはヒスタミンの働きを抑える薬剤を中心に治療が行われてきたが、対症療法だったため効果も限定的で、より根本的な治療法の開発が望まれていた。 研究グループは、肥満細胞にある新しい分子を世界で初めて発見し、「アラジン1」と名付けた。さらにアラジン1の遺伝子を持たないマウスをつくり、抗原とIgE抗体を投与してアレルギー反応をみたところ、通常のマウスより強い反応を示した。詳細な解析により、アラジン1は