免許証を返納し、乗ることがなくなった車を見つめる浅石栄一さん(左)と妻の笙子さん。以前は愛犬も一緒に車でよく出かけていた=八戸市の浅石さん宅で 5月の下旬だった。息子がいつになく真剣に「相談がある」と言ってきた。父親の浅石栄一さん(79)=八戸市=は少し戸惑ったが、突然帰省した50歳の息子はこう切り出した。 「車に乗るのは終わりにしよう」 実はこれまでも度々、浅石さんは中型自動車の運転免許証の「返納」を勧められてきた。だが特に事故を起こしたことはなく、「一生車に乗るつもりでいた」ため、今回も聞き流すつもりだった。 しかし、この日の息子は一歩も引かなかった。「交通事故を目の当たりにする度に両親の顔が浮かぶ」「事故の加害者になれば家族全員が賠償責任を負う」−−。息子は警察官。大きな事故はなくても、父が乗る車に徐々にキズが増えていくことに気づいていた。 この記事は有料記事です。 残り1082文字
![返す?返さない?:免許「自主返納」の葛藤/上 息子説得で「終わりに」 外出の楽しみ消え /青森 - 毎日新聞](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/adebd199aa0e0499f40c57a12158f31160ec7de7/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.mainichi.jp%2Fvol1%2F2016%2F07%2F26%2F20160726dd0phj000034000p%2F9.jpg%3F1)