ブックマーク / honz.jp (761)

  • 『ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム』コンピューターによる文芸批評の時代 - HONZ

    HONZが送り出す、期待の新メンバー登場! 西野智紀は24歳の若きレビュアーだ。産経新聞、週刊読書人などで執筆をしつつ、将来的には書評家一でやっていきたいという夢を持っている。デビュー書評がいきなりカブるという悲劇に見舞われたが、これが吉とでるのか、凶とでるのか。今後の彼の活躍に、どうぞご期待ください! (HONZ編集部) 売れる小説を書きたい――作家を志す人ならば、一度は妄想する夢だろう。印税収入だけで暮らしていけたら、人生どんなに楽なことか。しかし、当然のごとく世の中は残酷で、運よくデビューできても、ロクにヒットも出せぬまま消えていくケースなどいくらでも存在する。ましてや今や出版不況、売れない文芸作家に対する風当たりは一段と厳しい。 そうした非情な現実の嵐に懊悩するあなたの耳元で、書はささやく。実はベストセラー作品には、黄金の法則があるのですよ。しかもこれは評論家や批評家の主観的評

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    HONZ 2017/05/31
  • 『なぜ働くのか』アイデアにもテクノロジーが必要だ - HONZ

    TED(Technology Entertainment Design)はどんなテレビ番組より面白いので(但し、NHK『BS世界のドキュメンタリー』は除く)、iPadテレビ代わりによく見ている。テレビドラマや映画だと英語が分からないことが多くて字幕がないと辛いが、TEDトークはプレゼンテーターの思考が冴えていて、話もロジカルなので、英語がすごく分かりやすく、特殊な分野を除いて字幕なしで見ることができる。 もっとも、YouTubeにアップされている人気のTEDトークの多くには日語字幕が付いているので、ほとんどのトークは英語ができない日人でも楽しめる。自分にとっての一番のお気に入りは、フォロアーシップの重要性を説いた”How to start a movement“(社会運動はどうやって起こすか)の裸踊りのプレゼンテーションだが、こんな面白い映像がタダで見ることができてしまう今の時代、テ

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    HONZ 2017/05/30
  • 『バッタを倒しにアフリカへ』面白いっ! だけじゃないんです、 泣けるんです! - HONZ

    こ、こののレビューを書きたい。 先日クマムシ博士がめちゃくちゃ面白いレビューをアップしていたので、私立文系かつファーブル昆虫記を1巻で挫折した私ごときがレビューする意義は見いだせなかった。HONZには虫担当の塩田もいる。生物偏差値100超(!)の学生メンバー篠原だっている。浪速大学医学部教授だってレビュアーだ。とにかく虫に相応しいのは私ではない。 しかし、書きたいのだ。この胸いっぱいお腹いっぱいの気持ちを誰かに伝えずにはいられない。 書を読み返す。そしてクマムシ博士のレビューも読み返す。1つだけ、それも大事なことに触れられていないではないかっっ! 今回私はその点だけに絞ってレビューをしたいと思う。 面白いというのは何パターンかあると思う。ひとつは目を通すだけで笑えるもの、電車の中で広げたら最後あふれる笑みを回収しきれずに不審者としてツーホーされるタイプだ。今話題の『鳥類学者だからって

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    HONZ 2017/05/28
  • 『人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?』 ポナンザの開発者が語る、AI技術のエッセンス - HONZ

    先般HONZで紹介した冨山和彦氏の『AI経営で会社は甦る』では、AI人工知能)がこれからのビジネスに与える影響が分かりやすく示されていたが、この『人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?』は、AIの研究者自身によるAIの解説である。 チェスと将棋と囲碁を例に取り上げ、AIにおいて最も重要な技術である「機械学習」「強化学習」「ディープラーニング(深層学習)」などの質を説明しており、難解なものが数多あるAIの解説の中で、最も分かりやすいものに仕上がっている。 従って、この2冊さえ読破すれば、今のAIの動きに関する実践編と理論編の両方が十分カバーできると思う。 去る4月1日と5月20日に、第2期電王戦(ドワンゴが主催するプロ棋士とコンピューター将棋ソフトウェアとの非公式棋戦)の第1局と第2局が開催され、コンピューター将棋ソフトponanza(ポナンザ)が佐藤天彦名人に2連勝した。ポ

    『人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?』 ポナンザの開発者が語る、AI技術のエッセンス - HONZ
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    HONZ 2017/05/27
  • 『そろそろ、人工知能の真実を話そう』シンギュラリティ仮説の背後にうごめくもの - HONZ

    『そろそろ、人工知能の真実を話そう』シンギュラリティ仮説の背後にうごめくもの解説 by 西垣 通 2010年代後半に入って、AI(人工知能)ブームの過熱ぶりは凄まじい。とりわけ、 その中核にあるシンギュラリティ(技術的特異点)仮説は、現代のグロテスクな神話と言ってもよいだろう。書『そろそろ、人工知能の真実を話そう』(原題は Le mythe de la Singularité、 2017)は、シンギュラリティが実際に到来するかどうかを冷静に見極めるだけでなく、 その背後にある文化的・宗教的なダイナミックスを、「仮像(pseudomorphose)」という概念にもとづいて容赦なくえぐり出してみせる。きびしい警告の書物である。 だが、著者は決してAI技術自体を否定しているのではない。むしろ、来のAI技術が、 シンギュラリティという怪しげな神

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    HONZ 2017/05/26
  • ベストセラーを科学する──『ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム』 - HONZ

    書は、「ベストセラー小説に普遍的な法則は存在するのか?」という問いかけを、独自の判定モデルをつくりあげ検証した著者らによる一冊である。小説がヒットするかどうかは時の運という人も多いし、実際運が関与しない事象などこの世に存在しないともいえる。そうなってくると次に出てくる問いかけは運の割合はどの程度のものか? である。書はそれを分析してみせる。 手法のひとつを簡単に説明すれば、まず小説の特徴を抽出するアルゴリズムを用いて評価したいの各特徴を分類/定量化する。その後、ベストセラーと非ベストセラーを大量に読み込ませ、機械学習を用いてベストセラーの特徴を学んだアルゴリズムに、抽出した特徴を投入することでベストセラーになるかどうかを80パーセントの確率で判定することができる。これで分析できるのはどのトピックが売上に関連しているのかだが、書はその他にもプロット、キャラクタ、テーマ、そのらがどの程

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    HONZ 2017/05/25
  • 『アウトサイドで生きている』自分の衝動や快楽にきわめて忠実な18名の表現者たち - HONZ

    「いまも忘れられない美術展は?」ともし問われたら、答えは決まっている。1993年に世田谷美術館で開催された『パラレル・ヴィジョン』展だ。 ロサンゼルスを皮切りに、マドリード、バーゼル、東京を巡回したこの美術展は、「アウトサイダー・アート」と20世紀美術を並べて展示するという世界初の試みで話題となった。美術作品を観てあれほど衝撃を受けたことはない。どの作品も過剰なエネルギーに満ちていて、いちど見たら忘れられないインパクトをもっていた。 「アウトサイダー・アート」(仏語ではアール・ブリュット)は、既存の美術界の制度の外側で生み出された作品群を指す。当初は精神障害や知的障害を持つ人々の作品などをそう呼んでいたが、いまでは正規の美術教育を受けたことがない人々の作品を総称するようになった。子どもが描く絵や、素人が止むに止まれぬ情熱から自己流でつくりあげた作品などもアウトサイダー・アートとしてくくられ

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    HONZ 2017/05/25
  • 『バッタを倒しにアフリカへ』ストイックすぎる狂気の博士エッセイ - HONZ

    書店内でいやでも目を引く、虫取り網をかまえこちらを凝視する全身緑色のバッタ男の表紙。キワモノ臭全開の書だが、この著者はれっきとした博士、それも、世界の第一線で活躍する「バッタ博士」である。書はバッタ博士こと前野ウルド浩太郎博士が人生を賭けてバッタのアフリカに乗り込み、そこで繰り広げた死闘を余すことなく綴った渾身の一冊だ。 「死闘」と書くと「また大袈裟な」と思われるかもしれない。だが著者が経験したのは、まぎれもない死闘だ。あやうく地雷の埋まった地帯に足を踏み入れそうになったり、夜中に砂漠の真ん中で迷子になったり、「刺されると死ぬことのある」サソリに実際に刺されたりと、デンジャーのオンパレードである。 なぜ、そこまでの危険を冒さねばならなかったのか。油田を掘り当てるためでも、埋蔵金を発掘するためでもない。そう。すべては「バッタのため」である。 昆虫学者に対する世間のイメージは「虫が好き

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    HONZ 2017/05/19
  • いざ萌えん、エロスしたたる『官能植物』 - HONZ

    あなたは植物にエロスを見出したことがおありだろうか?あるのなら、このの魅力をすでにご存じなのだから、読めばますます植物官能の深みにはまり込んでいかれるに違いない。それよりも、そんなことは考えたこともないごく普通の人にこそ、ぜひ手にとってもらいたい一冊である。読み終わった時、もはや植物の官能から逃れられなくなっているはずだ。 いきなりだが、このサボテンはどうだ。似ていないといえば似ていないが、似ていると思えばえらく似ている。その名も『珍宝閣』、はいそうです「ちんぽうかく」です。『成程柱(なるほどちゅう)』という別名もあるという。なんとなく、なるほどと頷きたくなる気持ちもわかる。で、英名は『Penis cactus』って、ホンマですか?それって『ちんこサボテン』ですやんか。 滑らかな質感で、大きさ、鈴口や雁首を思わせる先端から根元に向かって走る微かな筋(稜)、個体によりやや曲がりくねった円柱

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    HONZ 2017/05/14
  • 『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』爆笑必死の科学エッセイ いったい彼らは何者か? - HONZ

    このを不用意に通勤電車の中で読んではいけない。爆笑必至のサイエンスエッセイなのだ。なんとか笑いを噛み殺しながら読み進めても、どこかで我慢の限界を突破して大笑いしてしまうこと請け合いだ。しかも、のタイトルには「鳥類学者」という、お笑いとはほど遠い言葉が入っているのだから、まわりの人からは奇人だと思われるであろう。 著者は現役バリバリの鳥類研究者。森林総合研究所の主任研究員だ。鳥の生態などを研究するため、小笠原群島を拠点としてフィールドワークを重ねている。書でも東京から1300キロほど南にある絶海の孤島、南硫黄島での壮絶な調査の様子などを垣間見ることができる。 この4月に噴火再開が確認された西之島にも過去何度も訪れている。上陸できなかった時期も無人機での調査だ。後日、航空写真を調べてみるとカツオドリらしきものが写っていたという。撮影されたのが12月25日だったので、著者はすかさず「もちろ

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    HONZ 2017/05/14
  • 『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』自分がいま立っているその足元から発せられる言葉 - HONZ

    保育園に子どもを迎えに行っていた頃、保育士が毎日のように子どもがこしらえたすり傷やたんこぶなどについて懇切丁寧に説明するのに面らった。 「すべり台を降りた瞬間にお友だちとぶつかって……」、「ボールを追いかけていて転んで……」といった具合。こちらは田舎の野山を駆けずり回って育ったくちだ。子どもなんてケガするのが普通と呑気に構えていたものだから戸惑いを覚えてしまったのだ。 だがある時、それには理由があるのだと保育士経験のあるママ友が教えてくれた。ひとつはちょっとしたケガにもクレームをつける親(いわゆるモンペ)がいるから。予想外だったのはもうひとつの理由。間違っても保育士の虐待なんかでできた傷ではありませんよ、ということをアピールしているというのである。そんな可能性を毛ほども考えたことがなかったので、これにはびっくりした。 英国在住20年余、保育士をしながら英国社会の矛盾を鋭く突いたコラムなど

    『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』自分がいま立っているその足元から発せられる言葉 - HONZ
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    HONZ 2017/05/11
  • 『日本の工芸を元気にする!』同族企業だからこそ、出来ること - HONZ

    「日の観光をヤバくする」 というのが星野リゾートのミッションだと知っているビジネスマンは少なくないだろう。観光カリスマである星野佳路社長率いる星野リゾートは、リゾート施設運営におけるイノベーションと独自性のある戦略が評価され、2014年度のポーター賞を受賞している。 書で取り上げられる中川政七商店は、工芸分野における星野リゾートとも呼ぶべきユニークな会社である。書の著者である13代目中川政七社長率いる同社は、工芸品をベースとした生活雑貨の企画・製造卸・小売業を営むと同時に、工芸による地方創生実現のため、「日の工芸を元気にする!」をミッションとして、今や絶滅の危機に瀕している日の伝統工芸を盛り立てるべく様々な取り組みを行なっている「老舗ベンチャー」であり、星野リゾートの翌年にポーター賞を受賞している。 そして、やはりと言うべきか、著者の最初の著書『奈良の小さな会社が表参道ヒルズに店

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    HONZ 2017/05/07
  • 『成功する人は偶然を味方にする』そのための具体的な手段は存在する - HONZ

    書はコーネル大学の人気教授で、ニューヨーク・タイムズの人気コラムニストでもあるフランク教授の著書ということで、よくありがちなアメリカ的な成功指南書なのかと思って読み始めた。 特に、邦題が『成功する人は偶然を味方にする』となっているので、偶然さえも自分の力でコントロールできるという意味なのかと誤解しそうだが、実際には成功者に自分の成功をもっと謙虚に受け止めるよう諭すと同時に、才能や努力といった個人の力だけではどうにもならない社会的な問題を解決し、幸運な社会を作るための公共政策的な提案を行っている経済学である。 それで改めて原題を見てみると、「Success and Luck : Good Fortune and the Myth of Meritocracy」(成功と運:幸運と実力主義という神話)となっていて、邦題とは微妙にニュアンスが違う。この原題から読み取れるように、著者は成功に至

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    HONZ 2017/05/06
  • 「生物とは何か」を問い直す──『生物はウイルスが進化させた 巨大ウイルスが語る新たな生命像』 - HONZ

    『巨大ウイルスと第4のドメイン』を筆頭に魅力的なウイルス論、入門を書いてきた著者による最新作『生物はウイルスが進化させた』は、「生物」に対する見方を根底から覆す、最新のウイルス研究成果についての一冊だ。多くの野心的な仮説と、確かにそうかもと思わせる検証でぐっと惹きつけ、読み終えた時にはウイルスに対する考え方が大きく変わっていることだろう。 まさにそれによって、「生物とは何か」「ウイルスとは何か」、そして「生物の進化とは何か」を問い直す「コペルニクス的な転回」を余儀なくされる、そんな存在こそが「巨大ウイルス」なのかもしれないのである。 内容的にはいくらか過去作との内容の重複もあるが、ウイルスとは何か、細菌との違いといった基的なところの説明から、従来のウイルス観を覆す巨大ウイルスとは何か、その特異性とは──と話をつなげ、”そもそもウイルスの定義とはどうあるべきなのだろうか”と最終章にてこれま

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    HONZ 2017/05/05
  • 『欲望の資本主義』おカネとは何か? - HONZ

    ゲーム理論の専門家で大阪大学准教授の安田洋祐氏がナビゲーターを務めるNHKドキュメンタリー『欲望の資主義〜ルールが変わる時〜』の内容をまとめた書は、およそ経済活動に関わる全てのビジネスマンにとってmust readの一冊である。 番組の中では、コロンビア大学教授のジョセフ・スティグリッツ氏、スタンフォード大学教授のアルヴィン・ロス氏、『善と悪の経済学』(東洋経済新報社)の著者でチェコ総合銀行マクロ経済チーフストラテジストのトーマス・セドラチェク氏、ベンチャーキャピタリストでシェルパキャピタル共同創業者のスコット・スタンフォード氏、インドネシアのeコマース最大手「トコペディア」CEOのウィリアム・タヌウィジャヤ氏の5人が安田氏と対談しており、また、エマニュエル・トッド(歴史人口学者)、ルチル・シャルマ(モルガン・スタンレー・インベストメントマネージメント チーフストラテジスト)、ウィリア

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    HONZ 2017/05/04
  • 『物理学者の墓を訪ねる ひらめきの秘密を求めて』死者と過ごす静かな時間 - HONZ

    世に渋い趣味は数あれど、極めつきの渋いやつとなると、「掃苔」ではないだろうか。「掃苔」は「そうたい」と読む。苔を掃除する。つまりは墓参りのことである。 何を隠そうぼくも掃苔愛好者だ。特にお気に入りは青山墓地で、これからの新緑の季節は特に気持ちがいい。職場のホワイトボードに「打ち合わせ 青山」などと書いて外出しているときは、ほぼ例外なく仕事をサボって青山墓地を散歩しているなんてことは、絶対に会社には知られてはならない秘密である。 だが、書の著者に「墓参りがご趣味ですか?」などと訊くと、きっと怒られてしまうだろう。物理学者の著者にとって、世界を変えた物理学者の墓を訪ねることは、偉大なる先人の魂を少しでも身近に感じるための神聖な行為なのだ。 著者の墓参りは、観光ついでにちょっと立ち寄るなんて生易しいものではない。それはまず入念な下調べからスタートする。というのも、ヨーロッパの墓地はとてつもなく

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    HONZ 2017/05/01
  • 出版業界でロボット戦争勃発か!?  『週刊鉄腕アトムを作ろう!』を買っているのは、どんな人たちか? - HONZ

    「鳥類学者のを読むからって、鳥が好きだと思うなよ。」というコメントまで考えておいたのに、今話題の『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』の分析がGWに間に合いませんでした。面白いことを読み解くにはまだまだデータ不足! 全国の皆さんの積極的な購買と、新潮社の皆さんの積極的な重版を期待します。 そんなこんなで、ネタが枯渇したのも一瞬の話。目の前に、可愛らしいアトムの顔が飛び込んできました。そうです、今、出版業界はものすごい人工知能ブーム。人工知能分析はもとより、あの「ロビ」を分冊百科で作ってしまったり、AIを使った小説を作ろうという企画があったり… このブームをさらに盛り上げつつあるのがこの春のロボット戦争。講談社から『週刊鉄腕アトムを作ろう!』が発売されたかと思いや、6月には『週刊ロビ2』が創刊。それぞれ完成までは70号〜80号という長期的な定期購読、20万円程度が必要となる壮大な

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    HONZ 2017/05/01
  • 『ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』 - HONZ

    高校2年生のことだ。クラスメートのお弁当箱(というかプラスチックの密閉容器)に入っていたのはリンゴだけ。昼ご飯はそれだけだと言う。「リンゴダイエット」だ。おかずとご飯でぎゅうぎゅうのお弁当箱を広げていた私には信じられなかった記憶がある。リンゴダイエットは今も根強い人気があるらしく、インターネットで検索すると何千件もヒットする(もちろん広告サイトも多いはずだ)。 では、ある人(仮にAさんとする)がリンゴダイエットで減量に成功したとして、その理由はなんだろうか。検索でヒットしたサイトにあるように「リンゴに含まれる物繊維やカリウムのおかげ」なのか、それとも「1日1から2をリンゴだけ」にしたので総摂取カロリーが減ったせいなのか、あるいはその両方なのか。そもそも、リンゴに含まれる成分はAさんの体内でどう作用していたのか。同じような減量効果は誰にでもあるのか。その効果は科学的に検証されたものなの

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    HONZ 2017/04/28
  • 犬! 飼わずにはいられない!──『ジャングルの極限レースを走った犬 アーサー』 - HONZ

    人生の大半を、犬と過ごしてきた。 だから心の底からの実感としていえるのだが、犬ってのは良いものだ。つらい時は慰めてくれるし、楽しい時間はさらに楽しくなる。撫でているとあっという間に時間が過ぎるし、心地がよい。というわけで僕は10でも20でも人類が犬を飼うべき理由を挙げられるが──、書『ジャングルの極限レースを走った犬 アーサー』を読んだら、また犬を飼いたくてたまらなくなった。 書はその名の通りに、極限レースを走った犬についての一冊である。極限レースを走った犬ってなんじゃそら、犬をわざわざレースに連れて行ったのか? そりゃ無茶だぜと最初疑問に思ったが、そういう話ではない。エクアドルで行われた、登山からサイクリング、マラソンにカヤックの川下りまでなんでもありの約700キロ耐久レース。そのレースにスウェーデンから参加したある4人のチームに、道中餌をもらったことから”勝手に”ついてきた野良犬の

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    HONZ 2017/04/25
  • 『字が汚い!』あきらめるのか? それとも本気を出すのか? - HONZ

    私のプロフィールには「趣味:万年筆集め」と書いてある。特に珍しいものを持っているわけではないが、新しい番組に携わるとき景気付けにとか、自分なりに課題をクリアしたと思った時に自分へのご褒美とか、とにかく折々買い集めて、いま30くらいある。 MCやキャスターの仕事が多かった頃は、台に書き込みをしたりメモを取ることが多く、すべて万年筆で書いていた。フリップを指すときも万年筆を使うとかっこいい。衣装と色をあわせた軸の万年筆を使ったりして、ひそかに楽しんでいた。 万年筆のなにが魅力ですかと聞かれれば、「アクセサリー類に興味がないので、万年筆がその代わりのようなものです」などど答えたものである。「万年筆には一、個性があって、それが少しずつ時間をかけて手に馴染んでいくのがいいですね」などと、気の利いた風なことも言っていた。 そんなことが目に止まってか、「万年筆が似合う著名人を表彰する」という『

    『字が汚い!』あきらめるのか? それとも本気を出すのか? - HONZ
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    HONZ 2017/04/24