電子署名というと、RSA 署名や DSA、ECDSA などが有名ですが、これ以外にも無数の電子署名方式が提案されています。 Schnorr(シュノア)署名もこうした電子署名方式の一つであり、1989年ごろに C.P.Schnorr 氏により発明されました。 しかしながら発明と時を同じくしてアメリカ国立標準技術研究所 (NIST) により DSA が提唱されたことや、 2008年まで Schnorr 自身の取得した特許により保護されており自由に利用できなかったなどの政治的な理由であまり利用されて来ませんでした。 しかしながら理論的側面だけに注目すると他のどの電子署名方式と比較しても計算が単純で分かりやすく、 またセキュリティ的な根拠もしっかりしていることなどから近年注目を集めています。 本記事ではこの Schnorr 署名の動作原理を学び、その仕組みを解説します。 前提知識として、ハッシュ関
![Schnorr署名 ―― 30年の時を超えて注目を集める電子署名](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ae667f700b3d7778f9d1d6bded27b1f490968e97/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fblog.visvirial.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2016%2F09%2Fschnorr_eyecatch_trim.png)