だいぶ固い話題が続いたので,気分を変えて.3年ちょっと前に経験した奇妙な出来事についての報告を書くことにする.簡単にいうと,ある日突然海馬が故障して記憶にまったく書きこみができなくなり,数時間で治った.という話である.途中から科学者魂というか,何としてでも画像を手に入れてやる,みたいなモードになるのだが,さてその結果はどうなったか.症状のほうはそのまま回復して,その後再発もしていないので,心配せずに読んでいただきたい.あと,文中にも出てくるが,筆者は医療関係者でも脳の専門家でもないので念のため. 「これで5回目だと思う」 その日は10月の土曜日で,午後は自宅で科研費の書類を作っていた.それにも飽きて,いつものようにバスで最寄り駅まで行き,ジムに入った.着替えて,軽い筋トレをはじめたが,途中からなにか考えがうまく回らなくなって,ジムの中でうろうろしていたような気がする. そのあとしばらくたっ
佐藤弥 医学研究科特定准教授らの研究グループは、主観的幸福の神経基盤について、脳の構造を計測する磁気共鳴画像(MRI)と幸福度などを調べる質問紙で調べました。その結果、右半球の楔前部(頭頂葉の内側面にある領域)の灰白質体積と主観的幸福の間に、正の関係があることが示されました。つまり、より強く幸福を感じる人は、この領域が大きいことを意味します。また、同じ右楔前部の領域が、快感情強度・不快感情強度・人生の目的の統合指標と関係することが示されました。つまり、ポジティブな感情を強く感じ、ネガティブな感情を弱く感じ、人生の意味を見出しやすい人は、この領域が大きいことを意味します。こうした結果をまとめると、幸福は、楔前部で感情的・認知的な情報が統合され生み出される主観的経験であることが示唆されます。主観的幸福の構造的神経基盤を、世界で初めて明らかにする知見です。 本研究成果は、2015年11月20日に
最近は人工知能分野の話題に事欠かないので、IT系に詳しくない人でも、Deep Learning がどうとか、人工知能がどうとかという話題を耳にすることが多いと思います。 猫も杓子も Deep Learning な世の中ですが、そもそも人工知能とか Deep Learning ってなんなんだっけ? という疑問に答えられる人は多くないはずです。 今回は、広く浅く、人工知能と Deep Learning について書きます (この記事をご覧になればわかるように、人工知能 = Deep Learning では決して無いのですが、両者はよく並んで紹介されるので、ここでも同列に書いています)。 最初に結論 Deep Learning は(真の)人工知能ではない。なんでもかんでも人工知能って呼ばない。 「Deep Learning」、「人工知能」ともにバズワード*1になりつつあるので気をつけよう。 コンピ
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まずは動画をご覧ください。 Oculusと脳波を計測するセンサーがあれば、誰でもエスパー体験ができます。 集中力を高めることで、仮想空間上のあらゆるものを吹き飛ばすことができます。 脳波センサーとOculusの組み合わせによる新しい体験を提供します。 『エスパーはつくれる』
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今年もノーベル賞の季節がやってまいりました! 早速、生理学・医学賞の受賞者も発表されました。 受賞者はこちら! ジョン・オキーフ先生(アメリカ)、マイブリット・モーザー先生(ノルウェー)、エドバルド・モーザー先生(ノルウェー)(なんとご夫妻!)のお三方です。 過去にご夫婦でノーベル賞を受賞された研究者としては、「キュリー夫人」で有名なマリ・キュリー、ピエール・キュリー夫妻(フランス、1903年物理学賞)の例がありますが、モーザー夫妻で5組目です。生理学・医学賞としては2組目です。※ ※(10/7 11:50追記) 10/6にキュリー夫妻以来と書きましたが、誤りでした。誤った情報をお伝えしてしまい、大変失礼致しました。ちなみに、マリ・キュリー、ピエール・キュリー夫妻の娘イレーヌ・ジョリオ=キュリーも夫妻で1935年にノーベル化学賞を受賞しています。 受賞テーマは「位置情報を司る脳の神経細胞の
© Nobel Prize Outreach. Photo: A. Mahmoud John O'Keefe Prize share: 1/2 © Nobel Prize Outreach. Photo: A. Mahmoud May-Britt Moser Prize share: 1/4 © Nobel Prize Outreach. Photo: A. Mahmoud Edvard I. Moser Prize share: 1/4 The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2014 was divided, one half awarded to John O'Keefe, the other half jointly to May-Britt Moser and Edvard I. Moser "for their discoveries
米国のオバマ大統領が提唱した巨大脳科学プロジェクトであるBRAINイニシアティブについては、2014年1月から3月まで、日経バイオテクに「脳科学の未来」と題する拙文を連載(6回)し、その一端を紹介しました。 脳科学の未来 https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20131224/173054/ 「2013年4月2日、ホワイトハウス。オバマ米大統領が、BRAIN initiativeを発表した(詳しくはこちら)。ケネディー大統領の人類月面着陸計画、バイオ医学系初の巨大プロジェクトとなったヒトゲノム計画。これらにも匹敵する脳、神経科学の巨大科学プロジェクトに取り組むという宣言である。BRAINは、Brain Research through Advancing Innovative Neurotechnologies の略であり、英単語「Brain」では
5月31 恐怖のアルコール その1 (酢を昼間から飲んでいた酒豪のクラスメートの謎がようやく解けた) カテゴリ:アルコール認知症 大学時代に酒豪のクラスメートがいたが、彼はよく酢を飲んでいた。彼の机には酢の瓶がいつも置いてあり、コップについではガブガブと飲んでいた。彼が言うには、酢がすごくうまいのだという。しかも酢を飲むと集中力が高まり勉強がはかどるのだという(そんなことあるかいな)。 しかし、この謎が30年以上も経ってようやく解けたのであった。アルコールを飲み続けると、脳の神経細胞はアルコールの代謝産物である酢酸ばかりをエネルギー源として利用するように変化してしまうという論文が出たのである。彼は、ブトウ糖よりも酢酸を好んで消費するようになった脳の命令に従って、昼間から脳のエネルギー源として酢を好んで飲んでいたのだ。今、ようやくクラスメートの謎が解けたのであった。 ヘビードリンカーの脳は酢
脳の特定のシナプス活動を自在に操作できることを証明! ― うつ病状態では脳を自己制御できず ―研究成果 平成26年4月2日 東京大学大学院薬学系研究科 1.発表者: 池谷裕二(東京大学大学院薬学系研究科 薬学専攻 教授) 2.発表のポイント: ◆ マウスが海馬の任意の神経細胞のシナプス活動を操作(自在に増加または減少)できることがわかりました(脳の自己制御)。 ◆ うつ病のマウスは脳の自己制御ができない一方、抗うつ薬を投与するとシナプス活動の制御能が回復しました。 ◆ 本成果は、自由意志や自発性の起源や機能に迫る可能性があり、神経活動の異常を特徴とする神経疾患の患者へ利用できる可能性が期待されます。 3.発表概要: 脳における学習は、神経細胞によって担われていることは分かっていますが、その仕組みについてはまだ多くの謎が残っています。 東京大学大学院薬学系研究科の池谷裕二教授らの研究グループ
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