タグ

ブックマーク / chez-nous.typepad.jp (5)

  • マスメディアの緩やかな死

    “The Slow Death of Mass Media,” the english version is below. 2021年になった。 数字の上では2001年から21世紀は始まったわけだけど、2021年というのは、下二桁に小さな21が付いて、いよいよ当の21世紀が始まったような気がする。 20世紀だって、1901年に突然始まったわけではない。1900年代初頭なんてヨーロッパは実質まだ19世紀だった。文化や社会の20世紀的変容が際立って来るのは、第一次世界大戦が終わってからだ。新しい世紀が実際にスタートするには、20年くらいかかるのかもしれない。 もはや私たちの不可欠な日常の一部となったインターネットにしてもそうだ。広く普及してほぼ20年、しかし今の状況がネット社会の必然的な形であるとは、ぼくはまったく考えていない。今私たちが生きているのはただの混乱期だ。最初の20年は、それ以前

    Hi-Fi
    Hi-Fi 2021/01/06
    わかるようでわからん。速報や新規性、一回性、唯一性よりも語り直しみたいな未来はちょっと感じてる。同じコトを別の人が何度も少しずつ語り直すこと。
  • 日本学術会議のこと(4)

    この問題は続いているし自分も辞職しない限り関わりは続くので、そしていろんな場所で意見を聞かれたりするので、ここでは正直なところを書いておきたい。このブログは公開ではあるけれど、個人的な活動なので、ぼくが美学会の会長であるとか、日学術会議の哲学委員長であるとか、そういう立場からの公式見解では全くないのです‥‥と断りつつ、しゃべってる人間は同じなのだから、そんなキレイに切り分けられるもんではないのですけどね。 さて日学術会議のことなのですが、政府でもそのあり方が検討され、同時に学術会議内部でも、自主的に組織や活動のより良いあり方を模索する動きがあって、ぼくも意見を求められたりしてきたのですが、基的に言うと、ぼくはそんなことを今慌ててする必要はまったくないと考えているのです。組織に問題がないと思っているわけではない。問題はあります。でもその程度のことは、どんな組織にもある。この間、学術会議

    Hi-Fi
    Hi-Fi 2020/12/22
  • 美学は何の役に立つのか?

    以下の原稿は、もともと2019年10月12-13日、東京の成城大学における第70回美学会全国大会のために用意した講演原稿ですが、台風19号のために中止となったため、2020年1月12日に同じく成城大学において発表させていただいたものです。その後、雑誌『美学』に掲載するという話もあったのですが、字数制限などがあり残念ながら実現しませんでした。美学会の将来ということを意識した内容なので、このまま一般の雑誌原稿としても発表しにくいため、ここで共有したいと考えました。 〈1〉「歴史の終焉」が意味するもの 2010年、中国の北京大学において、第18回国際美学会議が開催されました。その時の大会テーマは「美学の多様性(Diversities of Aesthetics)」というものでした。企画者のひとりであった佐々木健一氏はそこで「美学の哲学的役割(Philosophical Role of Aesth

    Hi-Fi
    Hi-Fi 2020/10/12
  • 日本学術会議のこと(2)

    昨日の記事について、たくさん質問をいただきました。全部に答えるのは無理だけど、いくつか。 ◯ まず、お前は誰だ?(笑) 的な質問。 ちょっと失礼だけど、まあいい。 このブログは「hirunenotanuki」という名前で動かしてきましたが、別にアイデンティティを隠しているわけではありません。過去の記事を見れば分かります。 日学術会議の会員ならエラい先生なのだろうと思う人もいるかもしれませんが、実は学問的にたいした業績も貢献もありません。別に謙遜して言ってるのではない。ただ京都大学で美学の教授を10年くらいつとめ、この4年間は美学会の会長をしてきて、歳も相応にとってきたので推薦を受けたのではないか。 ◯ 次に、あなたも左翼なのか? というような質問。 違います。たしかにぼくは若い頃テオドール・アドルノやユルゲン・ハーバーマスを読んでいて、その意味ではフランクフルト学派つまり新左翼の哲学を勉

    Hi-Fi
    Hi-Fi 2020/10/06
  • 日本学術会議のこと

    これはポンポコ先生じゃなく「中の人」? が書いています。どこが違うのだと言われると困るのだけど。 すでにいくつかのメディアで報道されているように、日学術会議が推薦した第25期の新たな会員のうち、人文・社会系35名のうち6名が、内閣総理大臣によって任命されなかったという事態が起こりました。 ぼくは新会員のひとりであり、昨日の総会に出席しました。前会長の山極寿一さんが退任挨拶の冒頭で、経緯について簡単に説明しました。新会員の名簿は何ヶ月も前から内閣府に提出されていたのに、一部を任命しない事実が知らされたのはわずか2日前だったとのことです。つまりこの決定について現会員や執行部に抗議する時間的余裕を与えない、ギリギリのタイミングで知らされたということです。 こうしたことは、日学術会議の発足以来初めてのことです。過去においても政府と学術会議が対立したことはありましたが、任命者である総理大臣が会員

    Hi-Fi
    Hi-Fi 2020/10/06
  • 1