イラク政策、日本が米国に見放される日 (田中 秀征=福山大学教授) イラクへの自衛隊の派遣期限を、7月末から2年間延長する「イラク特措法」の改正案が審議入りした。政府与党はこれを最重要法案として今国会中の成立を目指している。 この調子だと最後に残るのはアメリカと日本になりかねない。しかもイラク情勢は、安定化するどころか、最悪の状態での撤退になる可能性もある。 このところ世界の目はフランスの大統領選挙に集まっていた。その陰でイラク情勢は格段に悪化。絶望的な様相を呈している。イラクの“内戦”による死傷者は連日数十名に上るが、その程度では新聞やテレビの報道もさほどの関心を示さなくなった。 アメリカや国際社会の一大政策転換がない限り、この悲観的な流れは変わらない。 わが国の役割は、アメリカに強力に政策転換を迫ること。「たった独りになっても、どこまでも黙ってついていく」ことではない。