おととい所信表明演説をしたばかりなのになぜ…。安倍晋三首相が2007年9月12日、涙目で唐突に辞任を明かしたことは、様々な憶測を呼び起こした。野党が優勢の国会に対する「自信喪失説」に、生気が失せた最近の表情から読み取る「健康不安説」、さらに週刊誌報道を知ったことによる「スキャンダル説」まで出て。テロ特措法に代わる新法成立に職責を賭けるとまで言った首相に、何があったのか。 「まったくのお坊ちゃん」と塩川正十郎さん 大勢の記者が詰め掛け、ざわめきも漏れる政府官邸の記者会見場。安倍首相は、9月12日午後2時きっかり、いつものように足早に入ってきた。壇上に立った首相は、背筋を伸ばして周りを見渡した。無表情を装ってはいるものの、心なしか目に涙が浮かんでいるように見える。 「えー、本日、総理の職を辞すべき決意を致しました」 その言葉を言い切ると、あとはさばさばした表情で、辞任に至った経緯を10分間にわ
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