副題は「菊の玉座の囚われ人」だが、なぜか背表紙にしか書いてない。いったん講談社から訳本が出ることになっていたが、宮内庁や外務省が抗議したため、土壇場で出版中止になった、いわくつきの本の完訳版だ。 ・・・というから、どぎついスキャンダルが出ているのかと思えば、内容は日本人ならだれでも知っている出来事を淡々と綴ったもの。しいて違いをさがせば、父親(小和田恒氏)も本人も含めて結婚を拒否し、小和田家が結婚を祝福していなかったことがはっきり書かれていること、それに雅子様が「鬱病」であることは疑いないという複数の精神科医の話が書かれていること、また将来の選択肢の一つとして「皇室からの離脱」があげられていることぐらいか。 これに対して今年2月、宮内庁が書簡で異例の抗議をした。しかし「各ページに間違いがあるのではないか」と書いている割には、具体的な間違いの指摘は1ヶ所しかない。たしかに、そこで指摘され