十七年半も無実の罪で囚われていた足利事件の菅谷利和さんのケースは本当に悲惨だ。 週刊誌各誌がこの問題を取り上げているなかで『週刊現代』6月27日号「足利事件冤罪を作った『警察官・検事・裁判官』の実名」が出色だ。当時の捜査官や検事、裁判官らの実名を太字で掲げ、全員に直撃取材を敢行。「ノーコメント」と逃げ回る様子をそのまま記事にしているのだ。 こういう個人の責任追及はもっと行われてよいと思う。官僚もそうだが、警察官や裁判官など国家権力を行使する人間の責任の重さはもっと自覚されてしかるべきだ。 責任を省みるという意味では、事件当時のマスコミ報道の検証もせねばならない。「当局発表そのままに菅谷さんを『有罪報道』してきたのもメディアなのだが、そうした過去を省みる姿勢は、今のところ皆無である」と、新聞・TVを厳しく批判したのは『週刊文春』6月18日号だ。じゃあ週刊誌はどうなの?と突っ込みを入れたい気に