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ブックマーク / honz.jp (30)

  • 『宗教国家アメリカのふしぎな論理』 矛盾だらけのアメリカを宗教から読み解く - HONZ

    その男は酒もタバコもしない。ギャンブルに手を出すこともない。刺激物はコーヒーすら飲まないのだ。キリスト教の教会に通い、積極的思考(ポジティブシンキング)を実践することで世界一の大国アメリカで人もうらやむ成功を手にした。この禁欲的に思える男の名前は、ドナルド・トランプ。そう、現アメリカ大統領のトランプには奇妙な信心深さがある。 テレビから伝わるトランプのイメージは、禁欲や信心深さという言葉からは対極にある。政敵を口汚く罵り、派手な女性遍歴を誇るトランプに、どのように禁欲的な性質が内在するのか。遠く日から眺めていると、その存在は矛盾だらけの奇妙なものに思えてくる。しかし、『反知性主義』でトランプ現象を予測したとも言われた著者の森あんりは以下のように、トランプの存在は特異なものではないと説く。 トランプの奇妙な信心深さは、アメリカ的なキリスト教の文脈ではけっして特殊な例ではないということです

    『宗教国家アメリカのふしぎな論理』 矛盾だらけのアメリカを宗教から読み解く - HONZ
    IGA-OS
    IGA-OS 2017/12/22
    おもしろそう。
  • 『家族をテロリストにしないために イスラム系セクト感化防止センターの証言』「取り込み」はいかにして行われているのか - HONZ

    実際にテロ組織に加入しようとする若者を引きとめたり、社会への復帰を支援したりといった活動を行う「イスラム系セクト感化防止センター(CPDSI)」の創設者によって書かれた1冊だ。 著者はセンターを創設した2014年4月から2015年末までに、1134人の若者を支援してきた。活動の現場で目の当たりにした事例と、得られた知見がまとめられたのが書である。 著者らは相談者である親と連携し、子どものパソコンの中身や録音された電話の通話内容を調べ、親子との会話内容なども分析し、組織による洗脳や取り込みのプロセスについて事例を収集してきた。 子どもが過激思想に感化されていくことに困り果てた親たちの相談を受けてきた経験から、組織に取り込まれつつある若者の家庭での振る舞いが、どのように変化していくのかについて細かく書かれている。 洗脳が進むにつれ次第に、若者たちは組織が説くところの「宗教的実践」に従い始める

    『家族をテロリストにしないために イスラム系セクト感化防止センターの証言』「取り込み」はいかにして行われているのか - HONZ
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    IGA-OS 2017/10/31
    洗脳されるヒトの姿を観察。
  • 『性表現規制の文化史』えっちがいけないことなのは何故か - HONZ

    書、表紙が素敵なのだ。 裸の成人女性からうまい具合に乳首を隠したイラスト、線画の描写ゆえ生々しさはなく90年代に流行ったオシャレ系マンガの表紙のようである。 とは言えハダカはハダカ、サラリーマンばかりの通勤電車で読むのは平気だった私もさすがに目の前に小学生男子が立っている中では書の続きを読むのをためらった。 こんな風に感じるのは何も私だけではないだろう。そもそもたとえ乳首が隠されていたとしても裸の成人女性が描かれた表紙を人前で出すこと自体やりたくないという人も多いはずだ。(うん、屋さんでカバーかけて貰えるのってとっても大事かも)。 この「通勤電車ならいいや」と「でも小学生男子には刺激が…」の線引きをしている私の気持ちは一体どこから生じているのだろうか。 えっちなのは、いけません! 我々(少なくとも私は)はそう刷り込まれている。だから、公共の場でえっちなイラストの表紙のを出すのがため

    『性表現規制の文化史』えっちがいけないことなのは何故か - HONZ
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    IGA-OS 2017/09/13
    規制の論拠みたいなのを見出そうという視点からして面白そうだなと。
  • 『ダメな統計学 悲惨なほど完全なる手引書』で科学の基盤をより確かなものにする - HONZ

    世界は数字であふれている。政治家の支持率から健康品が病気のリスクを下げる確率まで、ニュースや広告を介して、新たな数字が次々とわたしたちに届けられる。しかしながら、その数字がどのようにつくられ、どのような意味を持つのかを真に理解することは容易ではない。特に、数字の送り手に悪意がある場合には注意が必要だ。50年以上前に出版された世界的ベストセラーの『統計でウソをつく法』で知られるように、統計を恣意的に用いれば、多くの人を欺くことはそれほど困難ではないのだ。 それでは、きちんとした科学研究室・大学によって裏付けられたデータならば無条件で信用できるのだろうか。そうではない、と統計学の講師でもある著者のアレックス・ラインハートはいう。科学者たちに悪意があり、統計学を歪めて使用しているわけではない。科学者たちもまた、わたしたち一般市民と同様に統計学をきちんと理解していないというのだ。 科学者は、統計

    『ダメな統計学 悲惨なほど完全なる手引書』で科学の基盤をより確かなものにする - HONZ
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    IGA-OS 2017/02/22
    読んでみたいけど、ちょっと立ち読みしてからだな・・・。
  • 『進化の教科書 第1巻 進化の歴史』 進化入門の決定版 - HONZ

    ハーバード大学やプリンストン大学をはじめ、全米200以上の大学で採用さている教科書『Evolution: Making Sense of Life』の邦訳3分冊の第1巻である。「教科書」といっても、書は議論の余地のない事実が淡々と積み上げられた退屈なものではない。原著者は『ウイルス・プラネット』等で知られる大人気サイエンスライターのカール・ジンマーと『動物たちの武器』のモンタナ大学教授ダグラス・J・エムレンであることからも分かるように、科学読み物としての楽しさを保ちながら、確かな知識を与えてくれる内容となっているのだ。またAmazon.comでは『Evolution』の価格は12,000円以上と高価だが、この第1巻はフルカラーの図を多く含みながら、1,680円(税別)だというのだから買うしかない。さらに、邦訳者の1人には、『化石の生物学者』の著者であり『ネアンデルタール人は私たちと交配し

    『進化の教科書 第1巻 進化の歴史』 進化入門の決定版 - HONZ
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    IGA-OS 2016/12/13
    教養書をしばらく読んでないけど、読みたいなこれ。
  • 『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』これは格差拡大が生み出す、人類社会の未来の姿なのか? - HONZ

    とてもおかしな連想かも知れないが、書を読んで映画「ロード・オブ・ザ・リング」を思い出した。実際に見た方も多いと思うが、この映画は闇の冥王サウロンが自らの残忍さ、邪悪さ、そして生きるもの全てを支配したいという欲望を注ぎ込んだ、世界を滅ぼす魔力を秘めたひとつの指輪を巡る壮大なドラマである。 邪悪なものだと知りながらも、一度サウロンの指輪を手にすると、その怪しげな魅力に取り憑かれ、迷宮の闇に転落してしまう。それは、書に登場する、数十億円というおカネを守るために日を捨ててシンガポールへ逃れ、人生そのものを見失ってしまった一部の富裕層の姿とオーバーラップする。 今や大前研一の指摘する、主権国を離れた「ホームレスマネー」は世界全体のGDP(約7千兆円)に匹敵する規模にまで膨れ上がり、また『21世紀の資』のトマ・ピケティが指摘するように、世界全体の純資産の1割弱(数十兆円)がタックスヘイブン(租

    『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』これは格差拡大が生み出す、人類社会の未来の姿なのか? - HONZ
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    IGA-OS 2016/09/12
    ほとんど実名ってすごい
  • 『数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』著者サイモン・シン インタビュー 数十年来の陰謀を暴く - HONZ

    前作『代替医療解剖』の発表から実に8年。人気サイエンスライター、サイモン・シンの最新作の翻訳版がついに完成しました。テーマはズバリ『ザ・シンプソンズ』。1989年の初放映からすでに600話超! 今も続くアメリカの大人気アニメーションです。黄色い肌に、大きなギョロ目、極端にデフォルメされた姿はきっと多くの人がご覧になっているはず。社会風刺のたっぷりきいたドタバタアニメは時に社会問題にからんで日でも話題に上ります。 でも今回の切り口は、風刺でもなければアニメ論でもありません。『ザ・シンプソンズ』、実は超難解「数学コメディー」だった!! というサイモン・シンならではのものです。この背景にはハーバード大などで数学の博士号を取得した「天才」たちが、研究職をなげうってまで『ザ・シンプソンズ』の脚家になったという、驚くべき事実があるのですが、なぜ、そんなことが起こってしまったのか、そもそもどんな理由

    『数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』著者サイモン・シン インタビュー 数十年来の陰謀を暴く - HONZ
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    IGA-OS 2016/05/26
    あのアニメってただの社会風刺作品じゃなかったのか・・・という驚き。
  • 『「全世界史」講義 教養に効く! 人類5000年史』 学びを超えた知的エンターテインメント - HONZ

    のっけから著者に反論申し上げたいことがある。出口さんは「まえがき」で、「積み重ねられた歴史を学んで初めて、僕たちは立派な時代をつくれるのではないか」という。つまり書は良き未来を創りあげるという目的のために、テキストとして読むことができると言っているように聞こえるのだ。 たしかに歴史から学ぶべきこと、いや書から学べることはあまりにも多い。それは歴史だけでなく、生き様や人間関係、組織経営に至るまで、読んでいて気付かされることが多いのに驚くばかりだ。 しかし、書は時代をつくるという崇高な目的のためだけのものではないように思われるのだ。いやそれ以上に、純粋に読む愉悦に浸ることができるだと断言できる。これからの時代を考えることはひとまず脇に置いて、早く次のページを開きたいと思わせる書は高度に知的なエンターテインメントでもあるのだ。 書を読むときのイメージは「人類5000年史」という名

    『「全世界史」講義 教養に効く! 人類5000年史』 学びを超えた知的エンターテインメント - HONZ
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    IGA-OS 2016/02/04
  • 『1998年の宇多田ヒカル』音楽には今、言葉が足りない - HONZ

    タイトルが秀逸。「1998年の宇多田ヒカル」という単語を目にしただけで、様々な情景が昨日のことのように蘇ってくる。だが皮肉なことに、それは音楽に心を躍らせるという経験が、その時から更新されていないことを意味するのかもしれない。 1998年が、いかにエポックな年であったかを示す事実はいくつもある。1つは日音楽業界史上最高のCD売上を記録した年であるということ。そしてもう1つは、現在においても日音楽シーンにおけるトップ3の才能と目される音楽家が、すべて同じ1998年にデビューしたことである。それが、宇多田ヒカル、椎名林檎、aikoの3人だ。 書は「史上最も同期に恵まれていた」3人に浜崎あゆみを加えた女性ソロアーティスト達を題材とし、1998年からの18年間が音楽史においてどういう意味を持つのか紐解いていく。単に当時をノスタルジックに振り返るだけでなく、そして現在の状況を憂うだけでもな

    『1998年の宇多田ヒカル』音楽には今、言葉が足りない - HONZ
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    IGA-OS 2016/02/04
    面白そうだな・・・その年代の音楽を聴いてきたからこそ。
  • 『コーランには本当は何が書かれていたか?』 - HONZ

    イスラムを深く知るためには、「コーラン」を避けて通ることができない。ジハードで死ぬと、楽園の72人の乙女という報酬があると書かれているのは当か? そして過激派たちによってどのように曲解され、利用されてきたのか? 今あらためて問われる、コーランに書かれている内容の質。(HONZ編集部) 書はカーラ・パワー(Carla Power)著If the Oceans Were Ink――An Unlikely Friendship and a Journey to the Heart of the Quran(『たとえ海がインクであっても――奇妙な友情とコーランの心髄への旅』)(2015年 ヘンリーホルト刊)の邦訳です。 副題にある「奇妙な友情」とは、著者である気鋭のアメリカ人女性ジャーナリスト、カーラ・パワーと、書における彼女の対話の相手、イスラム学者のモハンマド・アクラム・ナドウィー師と

    『コーランには本当は何が書かれていたか?』 - HONZ
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    IGA-OS 2015/11/20
  • 『人工知能 人類最悪にして最後の発明』 - HONZ

    2014年、『トランセンデンス』という映画が公開された。ジョニー・デップ演じる科学者の脳がコンピュータへアップロードされ、人間にはコントロールしようのない恐ろしい代物へと進化する ― そんな内容だ。 このように、強力なコンピュータ知能が人間に牙を剝くという筋書の映画は、かなり以前からいくつも作られている。古くは『2001年宇宙の旅』や『ターミネーター』、もっと最近になると『バイオハザード』や『アイ、ロボット』など。映画ではたいてい、ヒロイックな主人公が運も味方につけてコンピュータを打ち負かす。それでストーリーは一件落着。映画のなかなら、どんなに恐ろしいことが起ころうが問題はない。むしろそのほうが楽しめる。 しかし、コンピュータの知能が我々の手に負えないほどに進化するというシナリオは、はたして映画のなかだけの絵空事なのだろうか? 最近、日でも人工知能AI)が拓く未来に関する話題が盛んだ。

    『人工知能 人類最悪にして最後の発明』 - HONZ
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    IGA-OS 2015/06/19
    読んでみたいリスト入り。
  • 『格差の世界経済史』 姓で読み解く階級社会の不都合な真実 - HONZ

    姓を手がかりに、歴史に埋もれたビッグデータを掘り起こした著者は、残酷な現実を突きつける。 基盤的な、または相対的な社会的流動性は、社会学者や経済学者が一般的に考えている水準よりはるかに低い。 つまり、従来考えられていたよりも、わたしたちの人生はその生まれによって決定されており、人の努力や意志で階級の階段を昇るのは従来考えられていたよりも困難だというのだ。時代・地域を問わない低い社会的流動性は、経済格差の大きなチリやペルーだけでなく、社会福祉の充実したスウェーデンなど北欧諸国でも変わることはなく、チャンスの国アメリカとて例外ではない。さらに驚くべきことに、この低い社会的流動性を向上させる政策などないという。北欧に見られる教育の無償化も、あらゆるものを破壊した第二次世界大戦も、人類史上最大規模で知識階級を虐殺した文化大革命でさえも、社会的流動性を向上させることはなかった。上流は上流のまま、下

    『格差の世界経済史』 姓で読み解く階級社会の不都合な真実 - HONZ
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    IGA-OS 2015/06/12
    非常に面白い。データの妥当性の検証が急がれるな。
  • 『キューバ危機 ミラー・イメージングの罠』 誰も望まない核戦争が、なぜ現実の恐怖になったのか - HONZ

    1962年10月15日から10月28日は、史上もっとも人類滅亡の危機が高まった13日間だった。なにしろ、アメリカとソ連という超大国同士の全面核戦争が、ハリウッド映画のストーリーとしてではなく、現実的なオプションとして両国首脳に議論されていたのだ。アメリカ大統領ジョン・F・ケネディもソ連第一書記ニキータ・フルシチョフも、決して望んではいなかったはずの破滅的な結末へもう少しで足を踏み出すところだった。書は、この危機をもたらしたものは何か、この危機がギリギリのところで回避されたのはなぜか、そしてこの危機からわたしたちは何を学ぶことができるのかを教えてくれる。 この13日に及ぶキューバ危機を扱った書籍は数多いが、「大方の研究書は分厚すぎ、論文は狭い範囲に焦点をしぼった専門的なものがほとんど」で事実関係に誤りが見られるものが多いと著者はいう。そのため書は、危機の全体像を数時間で正確に理解できる概

    『キューバ危機 ミラー・イメージングの罠』 誰も望まない核戦争が、なぜ現実の恐怖になったのか - HONZ
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    IGA-OS 2015/05/12
    読みたいもの。
  • マンガ界の底上げ『荒木飛呂彦の漫画術』 - HONZ

    1980年代、週間少年ジャンプは『ドラゴンボール』、『キャプテン翼』、『聖闘士星矢』、『キン肉マン』など黄金タイトルが並んでいた。その中で『ジョジョの奇妙な冒険』は異色の漫画に思えた。しかし十数年の時を経て、それは大きな間違いだと気づいた。著者の荒木飛呂彦は連載当時から王道漫画を描いていたのだ。 書は全く人気が衰えることのない長期連載漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の作者、荒木飛呂彦による漫画の描き方の解説である。これまで明かすことの無かった漫画制作の秘密を、作品を題材にしながら披瀝している。 また著者は「漫画は最強の総合芸術」と断言し、漫画以外の創作活動に活かせる話も書は満載である。クリエイティブな人間にとって必携の一冊と言える。例えば絵を描く際に必要な「美の黄金比」や、ヘミングウェイに学んだストーリー作りなど具体的な方法論が解説されている。 著者はこれらの方法論を「道に迷わないための

    マンガ界の底上げ『荒木飛呂彦の漫画術』 - HONZ
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    IGA-OS 2015/05/07
    かなり資料的にも価値ありそうな。漫画関連の重要資料になるかもね。読んでみたい。
  • 次の世界を知るために『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』 - HONZ

    ディープラーニング、機械学習人工知能……正確な未来予測は無理でも、だいたいの方向性において人類は「技術的な進歩」を重ねてきたし、これからも重ねていくだろうということは予測できる。そしてその技術的な進歩が今後必ず起こるのがAI分野だ。書はそのAI分野の「過去」から「現在」そして「未来」までを見通してみせるきっちりとした仕上がりの良書だ。 特に昨今ではディープラーニングが話題になることも多く、この単語を耳や目にしたことがある人も多いのではないか。ディープラーニングについて、「人間の頭脳における神経回路網を再現したニューラルネットの一種で〜」といくらでも正しい説明はできるが、まあその辺の事は込み入って長くなってくるので詳しい説明は書に譲ろう。ごくごく簡単に、その最大の長所を抜き出してしまえば「情報の中から特徴を自ら発見できること」にある。以下、具体的にどのような事が出来るのかを紹介したい。

    次の世界を知るために『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』 - HONZ
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    IGA-OS 2015/03/25
    読みたい・・・
  • 『日本の反知性主義』編著者まえがき by 内田 樹  - HONZ

    みなさん、こんにちは。内田樹です。 書、『日の反知性主義』は昨年の『街場の憂国会議』に続いて、私がその見識を高く評価する書き手の方々に寄稿を依頼して編んだアンソロジーです。書の企図が何であるかは昨夏に発送した寄稿依頼の書面に明らかにされております。それを再掲して、書編纂の意図を示しておきたいと思います。まずそれをお読みください。 私たちは先に晶文社から『街場の憂国会議』を刊行しました。これは特定秘密保護法の国会審議においてあらわになった立憲政治、民主制の危機について、できるだけ多様な視点からその文脈と意味を考察しようとした試みでした。不肖内田がその編著者を拝命いたしましたが、多くのすぐれた書き手の方に集まって頂き、発行部数も予想以上の数字に達しました(ほんとうはこういう「危機に警鐘を」的な書物が売れるというのは、市民にとっては少しもうれしいことではないのですが・・・) しかし、さま

    『日本の反知性主義』編著者まえがき by 内田 樹  - HONZ
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    IGA-OS 2015/03/20
    視点を変える為に読んでみたいかも。
  • 『老人たちの裏社会』生き地獄化する余生 - HONZ

    65歳以上の高齢者の万引きの増加が話題になったのは20年ほど前だったか。当時は全体に占める割合が1割に達したことで注目を集めていた。 書によると警察庁発表の犯罪統計では高齢者による万引きは2011年には未成年者の検挙数を追い抜き、直近の公表値である13年は32.7%を占め過去最高を記録したという。万引き犯の3人にひとりが65歳以上という状況だ。人口全体が高齢化していることを踏まえても異常な増え方だ 万引きだけではない。ストーカーも60代以上の13年度の認知件数が10年前の約4倍に増え、他の世代の1.7-2.6倍に比べて高い増加率を示す。驚くべきなのは暴行の検挙数。2013年には94年比45倍超の3048人に急増している。原因も「激情・憤怒」が60%以上を占め、次点の「飲酒による酩酊」の14%を大きく引き離す。酔っぱらって、「何だ、この野郎!」と酒場で暴れる老人を想像しがちだが、当に凶暴

    『老人たちの裏社会』生き地獄化する余生 - HONZ
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    IGA-OS 2015/03/20
    「死ぬよりも、上手に老いることの方が難しい時代になってしまった。」重いな・・・。
  • いずれは我が身か? 『本で床は抜けるのか』 - HONZ

    木造二階建てアパートの二階にある4畳半の部屋に仕事場を移したところ、畳がすべてで埋まってしまった。 この一文から書は始まる。移した蔵書の数は「少なくとも1000冊以上、2000冊以下」とのこと。ちなみに築年数は50年で、下見の段階で押し入れの床からはメリメリと板が裂ける音が。引っ越し終了後、自宅へ帰るバンの中で「もっと慎重に物件を選べば良かった」と後悔する著者。まあ思うところは色々あるが、とりあえず読み進めていくとする。 ひょっとすると床が抜けるのではないか。一抹の不安に襲われた著者はSNSに「現場」の写真を載せ、広く意見を求める。結論は出なかったが、この問題に興味を持った著者はさらに、「床抜け」経験者やその話を聞いた人はいないか情報を募った。すると、「2階の部屋の床は抜きました」「父の兄の嫁さんがぶち抜きました」などなど書き込みが相次ぐ。 著者はノンフィクションライターである。自分の

    いずれは我が身か? 『本で床は抜けるのか』 - HONZ
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    IGA-OS 2015/03/19
    まさか本で床が抜けるのかという話題だけで本にまとまるなんて(笑)
  • 突き放した視点で見る宗教、発想が変わる『教養としての宗教入門』 - HONZ

    フランスの風刺週刊紙「シャルリ・エブド」 の襲撃事件、1年あまりで国家に近い体制を築いた「イスラム国」、そして日人2人が人質となった事件、2つの旬なイシューは国際政治や経済の問題であると同時に、宗教から見つめることができる。そのための浅く広い基礎知識と斬新な見方が書にあると言っても過言ではない。 「宗教」という言葉の起源は西欧語”religion”を翻訳語で、中国語や韓国語の「宗教」は日からの逆輸入・再輸入である。従って”religion”の概念的なモデルは、一神教の意味合いが強い。東アジアは神道、儒教、道教、仏教、自然信仰と、あらゆる宗教がチャンポン状態になっており、どれが主力とも言えない関係にある。多神教と呼ばれる由縁であるが、これらの全体を総括として、”religion”と呼ぶのか、一つ一つを”religion”とするか、これは未だ学問的に解決していない問題である。 外国からは

    突き放した視点で見る宗教、発想が変わる『教養としての宗教入門』 - HONZ
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    IGA-OS 2015/03/07
    教養として知っておきたいな。確かに。
  • 新進の宗教学者が解き明かすパワースポットの作り方『聖地巡礼 世界遺産からアニメの舞台まで』 - HONZ

    今回ご紹介するのは、新進の宗教学者による「聖地巡礼」についての新書です。聖地巡礼と言われて、読者の皆さんは何を想像されるでしょうか。書で扱っているのは、ある種の自分探しやパワースポット巡り、そしてサブタイトルにも触れられているアニメ作品に触発された「聖地巡礼」ムーブメントなどを含む、とても広い範囲の現象です。 著者は書の中で、「宗教が変質してきている」と語っています。宗教がもともと人々の生活に密着していたものだったことを考えれば、現代のいわゆる伝統的な宗教から人々の生活が乖離しつつある状況は、そのまま「宗教の変質」を物語るものでしょう。逆を考えれば、書のように具体的にその「変質」の例をいくつも吟味しているうちに、人々の暮らしがどのように変わってきているのかを学ぶことができるともいえます。 いくつもある具体例 書では、先に触れたとおり現代みられる様々な「聖地巡礼」の具体例が挙げられて

    新進の宗教学者が解き明かすパワースポットの作り方『聖地巡礼 世界遺産からアニメの舞台まで』 - HONZ
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    IGA-OS 2015/03/05
    「聖地巡礼」という言葉の広さ。