冷戦時代のFBIは、SF作家がアメリカの青年を堕落させ、アメリカを弱体化させることを目的としていた、と考えていたかもしれない。最近公開されたFBI文書には、華氏451度などの作品で知られているSF作家レイ・ブラッドベリに触れている項目がある。それによると、FBIはブラッドベリが、共産党員ではないがそれに近い立ち位置にあったと考えいたようだ(The Register、MUCKROCK、Slashdot)。 冷戦時代には、「赤狩り」を目的とした「インフォーマント」と呼ばれる密告者が多数いたという。インフォーマントはブラッドベリについて「米政府機関に対する不信感が強く、米国政府と下院非米活動委員会(HUAC公聴会)を『嘲笑した』」とFBIに報告していたという。さらに1953年に自由人権協会の共同書簡にも署名していたことを問題視したり、キューバへの不正旅行を計画していたとも訴えていたようだ。 一方