2月21 池田嘉郎『ロシア革命』(岩波新書) 8点 カテゴリ:歴史・宗教8点 今年100週年を迎えたロシア革命、ご存知のようにロシア革命は二月革命と十月革命という2つの革命をからなっています。まず二月革命でロマノフ朝が倒され、十月革命でレーニン率いるボリシェヴィキが権力を握るわけです。 世界史の教科書などでは、この二月革命から十月革命の間、政権を担っていた臨時政府(ケレンスキー内閣)については「倒された存在」としてしか書かれていませんが、当然ながら、臨時政府はなんとか政権を運営し、政情を安定させようと努力したわけです。 そんな臨時政府の立場からロシア革命を辿り直してみせたのがこの本。最近の歴史の本はさまざまなアクターを登場させることが多いですが、あえて臨時政府というアクターに絞って、ロシア革命の展開と、「無理ゲー」とも言える当時のロシアの政治情勢のなかで悪戦苦闘した政治家たちの姿を描いてい