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ブックマーク / finalvent.cocolog-nifty.com (62)

  • 日本国憲法の八月革命説について: 極東ブログ

    安保法制が違憲かについて、朝日新聞が6月に憲法学者209人を対象にアンケート調査を行い、7月11日に発表した。それによると、回答者は122人。うち、違憲回答が104人、違憲の可能性が15人、合憲が2人だった。このことを報道価値として、「安保法案「違憲」104人、「合憲」2人 憲法学者ら」(参照)とする記事が掲載された。 違憲104人に対して合憲2人というと、圧倒的な対比に思われるが、回答が約58%であり、未回答者のついての取材はなされていなかった。ただし、アンケート対象209人に偏りがあったとも思われないことは、有斐閣の判例集「憲法判例百選」執筆者全員を対象としたことから察せられる。該当の朝日新聞報道から理解できることは、憲法学者の大勢が安保法制を違憲と考えているということで、そのこと自体は実態を反映しているだろう。 アンケート詳細も興味深いものだった。なかでも「現在の自衛隊の存在は憲法違

  • 日本国憲法の矛盾を考える上での参考書……: 極東ブログ

    国憲法の矛盾を考える上での参考書というのものがあればいいなと、この間思うことが多く。そういえば、あれは参考になるかなと、ふと思いついたのが橋爪大三郎『政治の教室』(参照)だった。2001年10月に出た新書である。現在は文庫化されている。 率直に言うと良書とは言いがたい。「あ、これはないなあ」と思われる説明(例えば「法の支配」の説明など)も目に付く。それでも、このはかなり言い切っているなあと思えたのと、日国憲法については、護憲か改憲かみたいな紅白歌合戦みたいな暢気な構図が多いなか、そういう色分けから少し脱しているという点で、ちょっと触れてみたい。 表題の『政治の教室』だが、そのとおりに、政治とはなにかということを学ぶことに力点が置かれている。別の言い方をすれば、若い人が政治参加するときにどういうことを最初に学んでおくとよいかという前提的な議論がまとめられている。若い人の政治参加が求め

    日本国憲法の矛盾を考える上での参考書……: 極東ブログ
  • 特定秘密保護法が6日夜の参議院本会議で可決、その雑感: 極東ブログ

    特定秘密保護法が6日夜の参議院会議で可決され、成立した。ごく簡単に言えば、見切り発車の法律となった。 見切ってよかったのかと言えば、自民党、特に安倍首相はかなり譲歩したし、国内外から批判されていた問題点の多くも修正されたので、ここで廃案にするデメリットとメリットをバランスして見れば、しかたがなかったかという苦々しい思いはある。 日程的に押していたのは、法案と両輪になる日版NSCである国家安全保障会議の効果的な運用ということがあった。逆に言えば、この法案の阻止は日版NSCの弱化に繋がり、現時点で日の外交・軍事弱化のメッセージを出せば、そうでなくても日のメディアなどから発信される混乱した日の外交・軍事情報で中韓などが勘違いした攻勢に繰り出しているなか、さらなる混乱を招きかねない。 もう一つ日程を押していたのは、来年度の税制改正や予算編成作業だった。消費税増税によって、経済の悪化が

  • 特定秘密保護法案衆院通過についてのNew York Times記事: 極東ブログ

    New YorkTimes は11月29日に「秘密保護法案で日は戦後平和主義から離れるだろう」という記事を掲載しました(参照)。さきほどブログ「内田樹の研究室」(参照)でも見かけましたけれど、米国の一部でこの話題がどう伝わっているか、ここでも訳出しておきました。やや荒っぽい翻訳ですけれど、飯前の暇つぶしでやったので、ご容赦ください。内容については、「特定秘密の保護に関する法律案Q&A」(参照)などとも参考にするとよいでしょう。 では。どうぞ。 東京 - 怒りに満ちた街頭抗議と終末論的な主要紙社説を払いのけ、保守的な日の首相・安倍晋三が、秘密保護法を制定することは、日の戦後平和主義を押し戻すための立法議案の初項目の一つを達成するかのようだ。 火曜日に急ぎ衆議院を通過し、近く参議院も通過すると見られるこの秘密法案は、当地において「正常な」国と呼ばれるものへ日を方向転換する安倍氏の尽力の

  • 秘密保護法案について: 極東ブログ

    秘密保護法案についてツイッターなどを覗いていると騒がしい議論や意気込んだ反対運動などが察せられる。人それぞれの思惑というのがあるだろうし、その人の背景の思惑というのもいろいろあるのだろう。民主主義国なのでいろいろあっていいと思うが、こういうニュースは伝わるのか、記者さんはどのくらい理解して伝えているのか、と多少疑問に思えたニュースがあった。 今日の毎日新聞「秘密保護法案:国連人権理の特別報告者 日に懸念表明」(参照)より。 【ローマ福島良典】国連人権理事会のフランク・ラ・ルー特別報告者(グアテマラ、表現の自由担当)は22日、日の特定秘密保護法案について「内部告発者やジャーナリストを脅かすもの」との懸念を表明、日政府に透明性の確保を要請した。国連人権高等弁務官事務所(部スイス・ジュネーブ)が報道声明で発表した。 ラ・ルー特別報告者は「内部告発者や、秘密を報じるジャーナリストを脅かす内

  • 日本に家族なんてものはなかったし、結婚もなかったんですよ: 極東ブログ

    NHK大河ドラマ「平清盛」が面白い。が、これは現代の物語だなと思わせるのは、白河法皇の血脈と氏族の親子関係みたいな部分だ。血脈は所詮ファンタジーなのでどうもよいが、物語の、親子関係というか親子の愛情の描写を支える心情は実に近代人のそれであり、近世から現代の家族観を反映しているにすぎない。あの時代にそういう心情はなかっただろう。 物語なんだから、それで悪いというわけではない。古代・中世の親族構成というのは、なかなか現代人の感覚からはわからないものだ。昨日、近世日の家族の与太話を書いたが、これも機会かもしれないので補足しておこう。 村落の皆婚化が進んだのは江戸時代中期であった。なぜかという理由に、とりあえず生産力向上を挙げ、さらにその背景に統治の安定を挙げた。基的に江戸時代初期は統治が安定に向かう時代だといえるし、その理由も自明のようだが、踏み込むと考えさせらることがある。 昨日のエントリ

  • [書評]これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義(ウォルタ-・ル-ウィン): 極東ブログ

    強い通り雨が過ぎて晴天の空が現れたとき、私は小高い場所か、空を広げる場所を探す。太陽を一瞥してその反対の空を見上げる。運が良ければ、そこに虹がある。大空を渡す虹がきれいに見えているなら、円弧の外側に目を向け、もう一つの虹、薄い副虹を探す。虹はしばしば二重になっているのだ。主虹と副虹。そして、その二つの虹の色の順序が逆になっていることを確かめ、すこしうっとりとした気持ちになる。 なぜ、主虹と副虹と色の順序が違うのか? その前になぜ虹が現れるのだろうか。その説明は比較的簡単な物理学で説明できる。もし私の横に同じ虹を見ている人がいて、そのことに疑問を持つなら説明したい。なぜ? 私は虹が好きだし、その仕組みも好きだ。物理学が好きな少年だった。 そうした思いがそのまま書「これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義」(参照)にある。主虹と副虹もきちんと実験を含めて説明されている。そうだ、

  • [書評]中世哲学への招待 「ヨーロッパ的思考」のはじまりを知るために(八木雄二): 極東ブログ

    ごく個人的な興味だが、デカルトの「方法序説」を読みながら、原点になったスコラ哲学をもう少し理解しておきたい気分がしてきたので、なにか入門書のようなものはないかと「中世哲学への招待(八木雄二)」(参照)を読んでみた。スコラ哲学の基的な考え方とバリエーションを簡素にまとめた書籍を期待していたので、その点では求めていたものとは違う印象もあったが、これはこれで興味深いだった。著者は自身のグリーンボランティアの体験談を含め、一般向けにゆったりと雑感を込めて書を書いている。エッセイ的に読みやすいと言えば読みやすい。が、どちらかというと思想史というより世界史に関心ある人向けではないかとも思った。 「中世哲学への招待」と銘打ってはいるものの、実際にはヨハネス・ドゥンス・スコトゥス(Johannes Duns Scotus)の紹介書と言ってよい。その名前だが、書ではドゥンスは家系名かとの推測余地も残

  • 自民党安倍新総裁誕生の感想: 極東ブログ

    自民党の新総裁に安倍晋三元首相(58)が選出された。二度目の総裁である。選出自体に驚きはなかった。数日前から票読みの報道があり、安倍さんに決まるという予想が出ていた。が、自民党総裁選全体で見れば、こういう流れになると読めていたかというとそうでもない。当初は石破さんあたりになるのではないかと思っていた。石原伸晃さんが総裁選の過程で面白いようにボロを出し、安倍さんが石破さんと政策的に組んだあたりで、ああ、安倍さんは一歩引くのか、とも思った。以前政権を結果的に投げだしたことのけじめをそうつけているのだろうとも思った。 今日の総裁選自体に意外感はなかったが、一発で決まらないところが面白いといえば面白かった。初回の投票では、石破さんが地方票165票を獲得し圧勝した。自民党の党員全体では、派閥の支えのない石破さんに期待を寄せていたわけである。そして、そのことは私たちの身近な自民党として納得しやすいもの

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    Itisango 2012/09/26
  • 第三の新人が日本の実存主義だった: 極東ブログ

    第二次世界大戦とはなんだかったか。一概には言えないが、大きく見れば世界思想の水準における社会主義終焉の明確な始まりだった。 この社会主義には二系統ある。一つはソ連型の社会主義、つまりアジア型ナショナリズムにルサンチマンが結合した独裁主義である。これが純化されてアジアにも影響した。 もう一つは、近代福祉型ナショナリズムにルサンチマンが結合した独裁主義、つまり国家社会主義(ナチズム)である。これは第二世界大戦においてほぼ終焉への道筋が敷かれたかに見えた。 欧米の実存主義は、こうした第二次世界大戦後の、社会主義に対する対抗や反抗のあり方として現れた。実存主義は、社会の義よりも個人の自由が義となる世界思想として重視されたのである。 顧みると、そもそも19世紀以降社会主義が台頭したのは、近代人=市民の終わりを止揚的に継承したものである。市民は社会に統合されることで、生と世界が実現するかのような情念を

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    Itisango 2012/09/25
  • 実存主義かあ: 極東ブログ

    実存主義かあとぼんやり思った。cakesに寄稿している書評としてフランクルの「夜と霧」について書く際、旧訳・新訳を読み比べているうちに、英訳はどうなのかと2006年版の英訳書を読み、ついでに英訳書の版の変化を見ていって、そう思ったのである。 「夜と霧」の英訳書だが、基部分は日の新訳と同じドイツ語の1977年版を使っているのだが、合されている関連の論文やけっこう重要な序文や解説文について版によって変遷があり、ついついいろいろ調べてみると興味深かった。 なお、「夜と霧」の書評はcakes編集の目も入ってない段階なので、公開日などは不明。cakesでの書評連載については、たぶんこの26日に「 銃・病原菌・鉄」が公開され、それから結果としてかなりリキを入れることになった「めぞん一刻」論が三回分割で掲載される予定のようだ。 cakesの書評には含めなかったが、「夜と霧」の最初の英訳書のタイトル

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    Itisango 2012/09/25
  • 対中武器禁輸解除問題を巡って: 極東ブログ

    ブリュッセルで20日に開催された欧州連合(EU)と中国首脳の会議における対中武器禁輸解除問題について日での報道は少ないようだった。英語圏での報道は少なくはないがいまひとつ曖昧な印象を受けた。この問題は日の将来にも関係すると思うので、少し言及しておきたい。 とりあえず日語で読める報道としては時事「中国、EUに武器解禁要求=「市場経済国」承認を」(参照)がある。概要の代わりに引用しよう。 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)と中国の首脳会議が20日、ブリュッセルで開かれ、温家宝首相はEUが1989年の天安門事件を受けて導入した対中武器禁輸の解除を改めて求めた。また、中国を「市場経済国」として速やかに承認するよう呼び掛けた。 同首相は会議冒頭のあいさつで、中国は両問題をめぐり10年にわたってEUに働き掛けてきたが、解決の見通しは立たず、「極めて残念だ」と強調。中国の要求が実現するよう、「E

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    Itisango 2012/09/24
  • 日米による離島防衛上陸訓練に関連して: 極東ブログ

    の陸上自衛隊と米国海兵隊は、敵に奪われた離島を奪還するとのシナリオのもと米領グアムで実施した離島防衛の日米共同訓練映像を今日公開した。共同訓練自体は8月末に開始されたものだが、現時点ので報道関係者への公開は、現在の尖閣諸島問題やオスプレイ配備問題といった文脈を意識してのことだろう。 日の陸上自衛隊が参加したことで日ということが注目されるのもしかたがないが、各社報道を読むと、全体構図があまり正確ではないので、背景について補足しておいたほうがよいかもしれないと思えた。簡単に言及しておきたい。 まず、日でのありがちな反応の例は、朝日放送「日米で「離島奪還」訓練“尖閣”念頭で中国刺激?」(参照)である。ニュース自体は短いながら、タイトルに「尖閣」を意識させていた。 共同は比較的平易な報道だった。「日米、グアムで「離島奪還」訓練を公開 「特定の島、想定せず」」(参照)より。なお、タイトルは

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    Itisango 2012/09/22
  • 中国経済は破綻するか: 極東ブログ

    中国が抱える問題は各種存在するが、中央政府にとって大きな課題になっているのは経済問題である。その現状をどう見るかについて「ディプロマット」に10日、簡素なまとめ記事があったのでそれを紹介し、そこから気楽な印象を述べてみたい。気になるかたや、そんなことがあるのかと疑問に思うかたは、リンクを辿って原文を読むといいだろう。 該当記事は「中国の銀行は債務の超大型爆弾を秘匿しているのか?(Are Chinese Banks Hiding “The Mother of All Debt Bombs”?)」(参照)である。今週の日語版ニューズウィークにも抄訳が掲載されている。 記事の前半には問題の概要となる数字が上がっている。それによると中国は、2009年初頭から今年6月末までに、中国の国内総生産(GDP)の73%に相当する35兆元(5兆4000億ドル)の新規貸し付けを行った。その三分の二は2009年

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    Itisango 2012/09/21
  • 現下の中国の反日暴動と尖閣問題についてメモ: 極東ブログ

    現下の中国についてどうなんですか、ブログ書かないんですかと問われて、まあ、それほど予想外のことはないし、実は予想していることは別にあるんだけど書くと物騒なんで、どうしようかなと思っていたけど、ちょっと概要的な部分をメモしておきますか。 まず、今回の中国の反日暴動の原因なのだけど、これはいうまでもなく政治的な裏がある。こんなのは陰謀論とか部類にも入らないイロハな話だけど、問題はどういう政治的な構図なのかというより、どういう具体的な力学というのが、まだはっきり見えない。 構図については大ざっぱに言えば、このところ勢力を固めて院政が敷けるかと思っていた胡錦濤と共青団へのバックラッシュであり、太子党や軍、地方勢力といった個別利権の政治勢力との対立がある。ではどういうふうに対立しているか。 この部分についても存外に単純で、中国共産党第18回大会で、現行9名の政治局常務委員を共青団に有利な7名体制にす

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    Itisango 2012/09/17
  • [書評]ぼくは日本兵だった(J・B・ハリス): 極東ブログ

    先日トゥイッターで、蛍雪時代、ラ講、百万人の英語といった話を少しして、「そういえば、J・B・ハリス先生は日人」という話を投げたら、驚かれた人がいた。2004年にお亡くなりなったJ・B・ハリス先生の国籍は日。戸籍名は平柳秀夫である。しかし、ハリス先生は産まれたときの英国籍の名前、James Bernard Harrisを自身のアイデンティティーとされていた。 英国人を父、日人を母として1916(大正5)年9月4日、神戸に生まれ、ほどなく横浜に転居しそこで育った。震災後は米国に移り暮らし、12歳で日に戻った。ジャーナリストであった父、Arthur Montague Harrisは、1933年、肺炎がもとで死去した。46歳だった。ハリス先生は当時16歳。残された母子は日国籍を選び、このとき「平柳秀夫」となった。日語は話せるものの漢字などは十分に読めず、軍人訓などを暗唱させられる兵役で

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    Itisango 2012/09/09
  • [書評]世界史のなかの満洲帝国(宮脇淳子): 極東ブログ

    「世界史のなかの満洲帝国(宮脇淳子)」(参照)は書名通り、満洲帝国を世界史に位置づけようとした試みのだが、その試みが成功しているか妥当な評価は難しい。いわゆる左翼的な史学からすれば書は、珍妙な古代史論と偽満州へのトンデモとされかねないところがある。史学学会的には概ね無視ということになるだろうが、おそらく日には書をカバーできる史学者は存在していないのではないかと私は思う。 一般読書人にとって新書としての書はどうかというと、率直に言えば、有無を言わず買って書棚に置いておけ絶対に役立つとは言える。各種の事典的情報がコンサイスにまとまっているので便利だ。ブログに書評を書いてブックオフへGO!というではない。ただ、読みやすさと読みづらさが入り交じる奇妙な読書体験を強いられるかもしれない。 言うまでもなくと言いたいところだが、宮脇淳子は岡田英弘のであり、その史学の後継者である。岡田英弘

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    Itisango 2012/09/09
  • [書評]グーグル秘録(ケン・オーレッタ): 極東ブログ

    グーグル秘録(ケン・オーレッタ)」(参照)、オリジナルタイトル「Googled: The End of the World As We Know It 」(参照)は、すごいだった。すごい内容が描かれていた。どのくらいすごいのか? それは、大地の揺らぎと鳥と蛇の群れ、そして一機の飛行機で始まる。レニー・ブルースなら驚かないけど、台風の目の中にいる自分はどんだけ動揺してるんだ。君の都合なんか気にもかけずに、世界は自分勝手に動き出している。世界は終わりだってことを僕らは知っている。でも、いい感じ。 そのとおり。1987年、R.E.M.の曲、"It's The End Of The World As We Know It"(参照・YouTube)である。 It's the end of the world as we know it. It's the end of the world as

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    Itisango 2012/09/09
  • [書評]プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神(マックス・ヴェーバー): 極東ブログ

    「プロテスタンティズムの倫理と資主義の精神」(参照)、通称「プロ倫」についてなにかを書こうと思うような日が来ようとは思いもかけなかった。「プロ倫」はただ百遍読めばいいのである。 しかし、馬鹿につける薬はないな、プロ倫を百遍読めとばかりも言えないかもしれないご時世でもある。ま、かく言う私自身がその馬鹿の部類でもあろうから、たまに恥をさらしておくのもいいだろう。 とはいえ、このがなんであるかについてはさすがに省略する。ブログを書く手間はあるが、プロ倫を解説する手間はさすがにない。なので、いくつかティピカルなポイントだけ簡単に記しておく。 カルヴァン的なプロテスタンティズムの「神の選びの教義」とは何か これを、「神が現世における人間の努力やその成果によって人間を選別し、勝利者を救済し、弱者を地獄に落とす」と理解している人は、およそ社会学なり現代社会・政治を論じるに足りない。昔なら、岩波文庫で

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    Itisango 2012/09/09
  • 捏造された聖書(バート・D・アーマン):極東ブログ

    「捏造された聖書(バート・D・アーマン)」(参照)はいずれ読むんだろうなと思っていたが、ふと思い立ったように読んでみた。面白かった。 話は、聖書の文批評学(textual critic)を一般向けにしたものだ。聖書というのは信仰者の多くは神の言葉だと理解しているしそれはそれで信仰の問題だが、信仰といった部分を除いて考えるなら、普通に人間が書いた歴史文書であり、その編纂の歴史というものがある。書はその新約聖書の部分をまとめたもので、こういうと嫌われるかもしれないが、欧米の知識人と向き合うことがある日の知識人ならこの程度の内容はざっとごく常識として知っておいたほうがいい。その意味では必読書と言えるかもしれない。日の現代知識人は奇妙に歪んだ、キリスト教に対する優越心みたいなものを持っていることがあるようだけど、そんなのは欧米人には通じない。むしろきちんと彼らの背負い込んだ知識を理解したほ

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    Itisango 2012/09/09