〈新潟〉産が、〈北海道〉で加工され、〈青森〉で利用されていた…じつは、縄文時代の日本は「かなり広範囲な流通網」がカバーされていたかもしれない驚愕の事実 40センチ級のマダイを釣り上げた釣り針の秘密 三内丸山遺跡の発掘品の中で、技術的観点から私が興味をもったのは、まずアスファルトつきの石鏃(せきぞく)である。 石鏃とは文字どおり、石の「やじり(鏃)」のことで、木や竹の柄につけて狩猟具や武器として使うものである。三内丸山遺跡で出土した石鏃は、長さ3〜5センチメートルの「打製石器」だった。この石鏃の根元の部分、つまり木や竹の柄(矢柄)に挿入する部分に、アスファルトが付着しているのがはっきりと認められる。縄文人は、天然アスファルト、つまり瀝青(れきせい)を接着剤として用いていたのである。 天然アスファルトは縄文時代、石鏃以外にも釣り針などに使われていたと考えられていたが、天然アスファルトつきの釣り