富士通は28日、世界一の計算速度を目指して神戸市に建設中の次世代スーパーコンピューター(スパコン)「京(けい)」に使う小型コンピューターの出荷を始めた。 「京」は、800台以上の小型コンピューターを組み合わせて作られ、2012年6月に完成する。ただ、米国や中国などのライバルはさらに計算速度に勝るスパコン開発に入っており、国際競争は一段と激しくなりそうだ。 「京」は、毎秒1京(1兆の1万倍)回の計算ができるため、こう名付けられた。一般的なパソコンの約20万倍の性能で、米国などにある世界最速のスパコンと比べても5〜6倍も速い。 「京」は、独立行政法人の理化学研究所が、富士通などと4年前から共同開発を進めている。6年間で開発費1100億円をつぎ込む国家プロジェクトだ。昨年秋の行政刷新会議による事業仕分けでは、民主党の蓮舫参院議員から「効果が国民に見えない」と批判され、野依良治氏らノーベル賞を受賞