高遠ブックフェスティバルの間、にわか古書店に改装されたスーパーの空き店舗ヘイオンワイでは、町の商店の半分を古書店が占め、屋外にも随所に古書棚がある=北尾トロさん提供 「本の町」を呼びものに観光客を集めるブックツーリズムで再生した町がヨーロッパにある。先月、このブックツーリズムを目指したイベント「高遠ブックフェスティバル」が長野県伊那市の高遠町で開かれた。会期中、県内外から訪れた観光客は数千人。日本版「本の町」、そして日本版ブックツーリズムは定着するだろうか。 ■散歩がてら古書選び 東京から電車で4時間、高遠町は高遠城跡に広がるコヒカンザクラで知られ、開花の時期には30万人以上の観光客が訪れる。この町で9月18日から6日間、今年で2回目となる「高遠ブックフェスティバル」が開催された。 城下町風情の残る目抜き通りの随所に古書棚が置かれ、棚ごとに本を物色する観光客で町はにぎわいを増した。空