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池内恵(いけうち さとし 東京大学准教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について、日々少しずつ解説します。有用な情報源や、助けになる解説を見つけたらリンクを張って案内したり、これまでに書いてきた論文や著書の「さわり」の部分なども紹介したりしていきます。
あけましておめでとうございます。 新年第1回目の更新分は、インフルエンザのためお休みをいただきました。 無理のきかない年齢になってまいりました。いろいろなことがあります。 待ち焦がれた読者を想定して休載を詫びてみせるのも、かえって傲慢な感じがいたしますので、なんとなくぬるーっとはじめることにいたしましょう。 フランスでこの7日から連続して起きたテロ事件は、17人の死者を出す惨事になった。 1週間を経てあらためて振り返ってみると、この事件が、これまでにない多様な問題を投げかける出来事だったことがわかる。 表現の自由と宗教の尊厳の問題、宗教への冒涜とヘイトスピーチの関係、テロ警備と市民生活、多文化主義と移民の問題など、数え上げればきりがない。 どれもこれも簡単に結論の出せる問題ではない。 それ以前に、半端な知識や安易な態度で踏み込んではいけない話題なのかもしれない。 なので、事件の核心部分につ
ADHD(注意欠陥多動障害)とアスペルガー症候群の診断のついた娘に 投薬を初めて4年になります。 現在小学3年生。幼稚園の頃から飲んでいます。 ADHDの薬は現在リスパダールとコンサータ。 投薬に踏み切るまでは悩みに悩んだし 主治医の先生に何度も相談に乗っていただきました。 投薬に踏み切るまでとその後の経過はこのブログでも何度も書いてきて 検索で多くの方に来ていただいています。 それだけ悩まれる方が多いと言うことなのでしょう。 出来れば、コンサータやリスパダールなどの精神薬に関しては 成長と共に減薬をしていずれはやめる方向でと考えてはいたのですが 今の娘を見ている限り、薬の助けなくして 日常生活を送るのは困難なのではないかと感じています。 日常生活を送る為には、というより生きていくためには 今自分が興味を持ったことだけ、やりたいことだけをするのは不可能です。 毎日、やりたくなくてもやらなく
精神の障害を抱えた三男の暴力に悩み、三男を殺してしまった父親の裁判の記事(12月4日付朝刊)に、多くの反響が寄せられました。「どうにかならなかったのか」「ひとごととは思えない」。そうしたなかで、切実な思いを打ち明ける手紙を寄せてくれた家族に、話をうかがいに行きました。 警察も医師も解決できず 「私たちも、ありとあらゆる苦難とともに生きています。娘を殺さなければ家族の誰かが殺されるか、巻き添えで死ぬことになるのではという恐怖とともに生きてきました」 神奈川県に住む50代の女性は胸の内を打ち明けた。いまは20代になる長女が摂食障害を起こしたのは、14歳の時。その後、精神疾患の疑いがある、と医師に告げられた。学校に行けなくなり、入退院を繰り返した。16歳ごろからは暴力がひどくなり、女性に塩酸が原料の洗剤を飲ませようとしたり、夜中にわめいて暴れたりすることも増えた。 「警察に連絡をすると、『またか
まっすぐであれば、松戸の出会いの後冷凍庫に戻った後、それがどれほど衛生的であるかについての不安もあるので、あな […] もっと読む »
先日の記事。 嫌いな女子と好きな女子の違いってどこだろうということを突き詰めるために図式化してみる試み。 - 私は「女子」が嫌いです。 で、使った女優マッピングですが これを今日は、その女優を表紙に起用している雑誌におきかえてマッピングしてみます。 ここでいう「男度」は、まだまだ男社会な日本でも男性と同じレベルで働ける・主張できる、という【自立】気質。「女度」は、逆に男性を立てる・控えめである、という【献身】気質をめどに、自分勝手に括らせていただいております。 こうやってみると、 non-noとMOREの、表紙起用女優の幅広いこと。 それに比べ、30台以降をターゲットとした女性誌の、ターゲットの徹底っぷり。 non・no(ノンノ) 2015年 01月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2014/11/20 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る MORE (モア) 2
奈良県の吉野林業の中心地・川上村で丸太を買った女子がいる。 と言ってもピンとこないかもしれないが、これがいかに「非常識」(笑)なことなのかわかるだろうか。 丸太は、そのまま使えるものではない。製材して角材や板にしないと使い道はほとんどないだろう。だから、製材所や工務店の人間でもない一介の個人が、それも1本だけ木材市場で丸太を買うなんてことは、通常ではあり得ないことなのだ。しかも若い女性が……。 ただし、私がこの件で考えたいのは、彼女の非常識さ……もとい勇気ではなく、その価格なのである。吉野林業は日本の林業の最高峰とされている。山には樹齢200年300年のスギやヒノキが文字通り林立し、生産される木材も、真円の大径木で年輪の詰まった高級材だ。価格もそのほかの産地と比べると一等抜け出している。彼女の購入した丸太はいくらしたのか……。 先に紹介しておこう。件の女性は、鳥居由佳さん。生まれも育ちも大
今回の衆院選の選挙間で自分が一番思っていたことは、地方が静かに窒息していくんじゃないかということだった。そして、そのことが選挙の話題として上がらないかに見えたのが、こういうとなんだが、というのは、誰かを責めるというわけではないのだが、不定型な何かに迫られるようで、とても気持ち悪かった。 選挙で与党・自民党側が提示した争点は、消費税増税の是非であり、実質は、延期はするもののいずれは増税するという確約にもなっていた。与党・公明党はその差違として確実な増税を前提に「軽減税率」を掲げていた。それらについては昨日のエントリーで軽く触れた。 野党は、特に民主党は「消費税増税の是非」を争点にできないため(この点にいうなら先だって消費税増税停止で内閣不信任案を出しておくべだっただろう)、他の争点を挙げようとしたが、マニフェスト(参照PDF)を見るかぎり、争点が定まらない印象を受けた。GDPが下がったことで
『シングルマザーの貧困』著者・水無田気流さんインタビュー(後編) サザエさんに見る日本の“家族信仰”は異常 『シングルマザーの貧困』著者が語る、標準以外を無視する社会 >>【前編はこちら】もう「貧困はかわいそう」という時代じゃない 『シングルマザーの貧困』著者が語る、人権意識が足りない社会 シングルマザーは貧困に陥りやすく、生きづらい。自分は未婚、または既婚だけど子どもはいないし離婚するつもりもないから関係ない……。はたして、そうでしょうか? ひとりで子どもを育てる女性を貧困に追いやっているのは、女性の労働環境や社会保障制度のあり方であることを、社会学者の水無田気流さんは『シングルマザーの貧困』 (光文社新書)で解き明かしました。いずれも私たちが社会で生きていくなかで、常に関わりつづけるもの。誰もが無関係ではないことが、本書を読むとよくわかります。 そしてもうひとつ、シングルマザーの貧困問
前にどれかのエントリで、小4長男が学校で問題を抱えているというようなことを書いた記憶があるのですが、彼のクラスはすこし前から学級崩壊と言えるかもしれない環境になっているようです。 今年度赴任して来た担任の先生が問題有りだということは田舎なのですぐに話が回ってきました。保護者の間にもじわじわその話が伝わり、子どもたちからも不満の声が聞こえるようになり。 嫌な予感がしていたのですが、その影響をもろに受けたギャングエイジの子どもたち、一部が授業をまともに受けられないとか落ち着かない、喧嘩が頻発する、課題に取り組まないなどの様子を見せ始め、その中にうちの息子も含まれていました。 家での様子もおかしかったので、担任との会話の中で異変に気づいてからは学校に何度も足を運び、担任や校長教頭と対応策について話す時間を取って頂き、学校内外の相談機関も利用し、あちこちに奔走すること数ヶ月、気づいたら長男はクラス
「異性にモテなくても結構」という気分が若者の間に広がっている。モテようとして無理に努力を重ねるより、自分の気分や好みを大事にしたいと思う若者が多数を占めるようになっているのだ。日経産業地域研究所が実施したインターネット調査でも、こうした実態が浮かび上がった。婚姻件数の減少も「モテ意識」後退と関係?これは異性の心をつかんで結婚しようという意欲がしぼんでいることも意味する。実際、2013年の婚姻
http://d.hatena.ne.jp/chnpk/20130115/1358204323 http://d.hatena.ne.jp/mizchi/20130115/1358216244 両方読んだ。 過去に何度も触れた話題ではあるが、いま一度書いてみようと思う。この話題が出るとMK2さんが裸ネクタイで農道のまんなかに踊り出てきます。書きたくなるんだんよこれは!! 現在の俺は関東地方の片田舎に住んでいる。都心は通勤圏には入らない。ま、下のリンク先の方のいう「関東圏」にはあたるわけだが、各種社会インフラっつーことでいうと、まずまず田舎といっていいと思う。とりあえず、高齢率と離婚率、高校中退率あたりの高さと、大学進学率のやたらめったらな低さだけでも「田舎」は名乗っていいところだと思う。 ちなみに以前は横浜の都心部に住んでいた。どんな用事でもだいたい自転車でこと足りる。「あー今日あのマンガ
就職できないで自殺する人までいるらしいけど、そこまでいかなくても就職できるかどうかが大きなストレスになっている大学生はたくさんいるでしょう。 そもそも「雇ってもらえなければ、人生終わり」みたいなコンセプトはおかしいとは思うけど、そうなってきたのは、「何やっても食べていける」という感じがなくなってきたからかも。 昔は自分で何かやって「ちょこっと稼ぐ」というのが、もっと身近だったんじゃないかと思う。 たとえば弁当を作ってランチタイムのオフィス街で売るとか、手作りアクセサリーや、自分で書いたイラスト、写真なんかを観光客の多い街で道に拡げて売るとかね。 発展途上国にいけば、そういうのいろいろあるよね。 靴磨きの少年とか、交差点で止まった車に新聞やペットボトルを売る子供達。観光客の多い広場でパントマイムや蛇使いのショーを見せたり。 路地裏には屋台のうどん屋や丼屋がひしめき、寺院の周りには花や線香、お
「自分が考えていることを、その場で決められた時間の中で他の人とシェアしないのは、プロとして犯罪に近い」 「プロというのはシステムで仕事をする人間である」 「いつ来るか分からない15分のために常に準備をしているのがプロで、来ないかもしれないからと言って準備をしないのがアマチュア」 などなど、非常に刺激的な言葉が次々と飛び出したのが、CEDEC2011の2日目基調講演「「ムーンショット」 デザイン幸福論」です。 国際的な活躍を続けるインダストリアルデザイナー、奥山清行氏による講演となっており、「実際に会場にいらした方に直接語りかけたい」という本人の強い希望によって、ニコニコ動画「CEDECチャンネル」での配信や講演資料の配布はなし、「最後の瞬間まで講演内容を考えたい」ということで演題・内容についての事前発表もなし、という直前まで謎のベールに包まれていた講演だったのですが、見ての通り少し書き出し
◎個人の問題と社会の問題は別 自分は、「個人の問題と社会の問題は分けて考えるべきだ」ということを、このブログで繰り返し主張してきた。個人の問題であることと社会の問題であることは「何対何」というように分離できるものではなく、両立するものなのだ。そして、「両立する」ということを理解した上で議論することは、無駄な論争を避けるために非常に重要である。 さて、最近、幼児虐待死事件が話題だ。母親がドアにテープを貼って子供を外に出られないようにした上で、ホスト遊びをし、餓死させてしまったという事件である。自分もこれだけの話だったら、そのままやり過ごそうと思ったのだけど、ちきりん氏や罪山罰太郎氏が、「社会の問題」であると指摘し、これが非難を浴びるという流れになって、事情が変わってきた。一応、この分野を専門にしていると自称している人間として、一言書いておこうと思う。 俺自身、ネグレクトした母親は悪いと思うし
⇒誰が何をネグレクト? - Chikirinの日記 あなたは、 あなたの奥さんは あなたの娘さんは、 20代で結婚して、子供を2人産んで、離婚したら、母子で自活できますか? 女性ということになっているちきりんさんが、他者として、そして大半は暗黙に男ということになっている修辞的な問いかけで問題の枠組みが設定される。そして修辞性の効果として、経済問題だけに捨象される。だからネタなんだということかもしれないが。 この問題はしかし、「あなたとわたし」という市民の直接性の枠組みのなかで、市民が罪責を問う形にしないと、経済の外で問われている部分に気がつかないし、暗黙に問われた他者として疎外された倫理の弁解の延長に、市民の直接から乖離した正義が生まれることになる。(慈愛の王を自然に生み出す。) 正義が制度を超えて幻視される怖さを知るなら、正義を制度のなかにきちんと閉じ込め、その先に倫理を問うのであれば市
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