毎日の仕事に追われていると、ついITの原理原則を忘れがちになるものだ。何事にも言えることだが、基礎を理解してこそ、初めて応用ができるのである。 連載『矢沢久雄の情報工学“再”入門』では、ITの根幹を成す学問体系である「情報工学」を解説している。おそらく学生時代や入社時の研修で習った方も多いとは思うが、この機会に復習していただきたい。必ず新たな発見があるはずだ。
![情報工学は面白い!](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bed39b5962a5d552c95b6d796db8f55e72d32943/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fimages%2Fn%2Fxtech%2F2020%2Fogp_nikkeixtech_hexagon.jpg%3F20220512)
記者が子供の頃の1970年代は、i8080、Z80、MC6800などがマイコン用8ビットCPU(Central Processing Unit)として全盛だった。それに続いたのが16ビットCPUで、米Intelのi8086がパソコン分野の勝者となった。それがx86アーキテクチャーの始まりである。x86アーキテクチャーは32ビットになり、64ビット(これは「x64」とも呼ぶ)になり、今やWindowsパソコンもMacも企業のサーバーもx86だ。でも、x86の全盛期は終わったのではないだろうか。 x86の強力なライバルが二つ浮上してきた。一つは英ARMのARMアーキテクチャーだ。消費電力が少ない割に高性能なARMは携帯機器に多く採用され、「Microsoft、次期版WindowsでARMアーキテクチャーをサポートへ」といった動きも報じられている。米Microsoftは以前、WindowsでAl
「プロジェクトの進捗は遅れるもの」という考えはもう許されない。追加メンバーの投入やスコープダウンが難しくなったことで、工程やタスクごとに進捗を守ることが求められる。チームのマネジメントや個人の仕事を工夫し、進捗遅れを一掃しよう。 ITベンダーA社のプロジェクトマネジャーである山田氏(仮名)は2年前、システム開発の進捗遅れで、悔しい思いをした。それは、外資系のユーザー企業B社の勤怠管理システムの構築を担当したときのことだった。 このプロジェクトは当初、A社の別のプロジェクトマネジャーが担当していた。しかしB社の勤怠の業務ルールが極めて複雑なこともあり、途中からプロジェクトが進まなくなった。そこで、勤怠管理システムの構築経験が豊富な山田氏が、プロジェクトマネジャーとしてプロジェクトを引き継ぐことになった。 プロジェクトオーナーであるB社の人事部長と協議して納期を設定し直したが、要件定義を最初か
2010年09月22日21:30 カテゴリLightweight Languages 構造化テキストの間違ったエスケープ手法について 昨晩のtwitter XSS祭りは、ふだんもtwitter.comは使わない私には遠くの祭り囃子だったのですが、せっかくの自戒の機会なので。 Kazuho@Cybozu Labs: (Twitter の XSS 脆弱性に関連して) 構造化テキストの正しいエスケープ手法について 正しいアプローチは、全てのルールを同時に適用することです。 これは残念ながら(おそらく)必要条件であっても十分条件ではありません。 こういう(かなりええかげんな)正規表現でtweetをparseしていたとします。 re_http = '(?:https?://[\\x21-\\x7e]+)'; re_user = '(?:[@][0-9A-Za-z_]{1,15})'; re_hash
先日、あるインターネット・サービス・プロバイダーが使っている格安なルーターを見せてもらった。格安といっても家庭用のルーターというわけではなく、上位のプロバイダーとBGP(Border Gateway Protocol)で接続するための高性能なルーターだ。運用を開始してから約1年半。これまで「障害は全くありません。動作は極めて安定しています」という。 なぜ格安かというと、無償で配布されているオープンソースのソフトウエアルーターを使ったからだ。ルーターといえばハードウエアで提供されているものが一般的だが、ソフトウエアルーターの場合は自分で用意したPCサーバーにインストールして使う。ソフトウエアルーターならばPCサーバーの費用だけでルーターを手に入れられる。 ここで冒頭のプロバイダーとルーターを紹介しよう。プロバイダーは新潟県三条市の銀座堂。地域に密着したプロバイダーで、回線のローミングを含めて
こんにちは、システム本部技術部たんぽぽGの森本です。 先日のmixi大規模障害の原因となったmemcachedの不具合の詳細な解明ができました。 再来週まで発表を見合わせようと思ったのですが、早くお伝えしたほうがいいと思いましたので公開発表致します。 memcachedとlibevent memcachedはlibeventというライブラリを使用してクライアントからの要求(接続、コマンド送信)を処理しています。 libeventを使用するにはevent_baseという構造体を用います。 main threadはmain_baseを使用します。 static struct event_base *main_base; ... int main (int argc, char **argv) { ... main_base = event_init(); ... /* enter the ev
この「時空展」が開催される前の年、2005年は国際連合によって「世界物理年」と定められた。多くの科学雑誌や新聞が特集を企画し、また日本物理学会をはじめ多くの学術団体が講演会やエベントを企画し、物理学のおもしろさを伝え物理学の普及活動を行った。2005年が世界物理年に選ばれたのはアインシュタインによってちょうど100年前の1905年に現代物理学の根幹をなすような重要な論文が発表されたからである。「相対性理論」、「光電効果」、「ブラウン運動」の論文である。(「相対性理論」は簡略化して相対論と記す。)「光電効果」の論文は後に続く物理学者によって「量子論」が建設されることになる重要なきっかけとなる論文である。良く語られるように、「相対論」と「量子論」は現代物理学をささえる2本の柱である。20世紀、この2本の柱の上に現代物理学の大系が建設され、化学や生物学、また地球科学、宇宙科学などの基礎科学が爆発
90年代を通じて、いくつもの紛争が継続した「ユーゴスラビア紛争」。その中でも、特に泥沼の様相を呈したことで有名な「ボスニア紛争」を少年時代に体験したという日本人による、2ちゃんねるのニュース速報(VIP)板への書き込みが話題になっている。 ■ 「ボスニア内戦」真っただ中での逃避行 ▽ http://mudainodqnment.blog35.fc2.com/blog-entry-1351.html ▽ http://mudainodqnment.blog35.fc2.com/blog-entry-1352.html ▽ http://mudainodqnment.blog35.fc2.com/blog-entry-1353.html (語り手による文章のみを抜粋したエントリーを読みたい方は、「http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20100601/p1」を参照のこと)
「Java News.jp(Javaに関する最新ニュース)」の安藤幸央氏が、CoolなプログラミングのためのノウハウやTIPS、筆者の経験などを「Rundown」(駆け足の要点説明)でお届けします(編集部) ちまたにあふれるバージョン表記 少し前に「Web 2.0」「○○2.0」という表記が流行したのを覚えていますでしょうか。よく見かける広告のコピーにも、最近では「バージョンアップ」という言葉が普通に使われています。バージョンや、バージョン表記は、ソフトウェアの世界だけでなく、ごくごく一般化したように思えます。しかし実際には、どういう意味か分からないのが、バージョン表記です。 アプリケーションソフトウェアの開発は、さまざまな状態/段階を経て完成します。その段階/状態と、リリース後の状態/段階を示したのが、バージョン表記です。 例えば、数字以外でも、以下のような表記を見かけたことはありません
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 皆さんは「コーヒー派」と「紅茶派」、どちらですか? レストランや飛行機で食事をした後には「コーヒーと紅茶、どちらになさいますか?」と聞かれるくらいですから、多くの人の頭の中では、この両者は同列に位置するような存在と言えるでしょう。 けれども、身の回りをよく見てみてください。 ドトールやスターバックス、プロント、タリーズなど全国的にチェーン展開をしているコーヒーショップは数多く存在するのに対して、それと対抗するほど多くの店舗数を誇るティールームやティーサロンというのは皆無です(先に挙げたコーヒーショップでは、紅茶のメニューも販売はしていますが、前面的に打ち出しているわけではありません)。 また、外食としての喫茶業態ではなく、缶やペットボトルに入
国立大学二次試験の願書提出期限まであと約一週間。「東大は世界を担う知の拠点」などと現総長は謳(うた)っているが、そこで立ち止まってしまう学生も多いという。入学後に脱落する人と飛躍する人。その違いはどこにあるのか。 東大理系─── テストが出来るだけなら、入らないほうが安全 次元が違う人たち 「研究において最高のパワーは、東大理系の学生たち。世界で最も優秀な集団です。これほど基礎学力を持ち、当たり外れのない集団は世界でも他にはない」 量子コンピュータの研究で世界最先端と言われ、ノーベル賞候補の一人に挙げられている、東京大学工学部・古澤明教授の言葉だ。 ならば東大理系出身者によって、続々と世界最先端の研究や技術開発がなされているかと思いきや、思い浮かべてみても、意外と浮かんでこない。 確かに東大OBには、政官財のリーダーたちがずらりと名を連ねる。しかし国を動かす官僚にしても、採用時は文系理系で
他人の書いたソースコードを読むことはプログラミング能力の向上に役立つ、と聞いたことがある人は多いだろう。例えば、Rubyの開発者として有名なまつもとゆきひろ氏は、自らが監訳者の一人である書籍「Code Reading -- オープンソースから学ぶソフトウェア開発技法」(毎日コミュニケーションズ発行)の序文で、「ソースコードこそソフトウェアのすべての知識の源」であり、「効率よくソースコードを読むことは、効率よく自分の能力を向上させることにつながります」と書いている。 一方で、ソースコードを読むための環境も整った。オープンソースが一般化することで、入手できるソースコードは質、量ともに、一昔前とは比べ物にならないほど充実した。 しかし、自らのスキルアップを目指して、実際にオープンソースなどのコードを読んでいる人は、さほど多くないだろう。他人の書いたソースコードを読むのは、既存プログラムの保守や追
DESIGNM.AGで、ロゴデザインをする時に参考になるサイトが紹介されています。 4つのカテゴリーに分かれてたくさんありますね。いくつかご紹介します。 ロゴデザインのインスピレーションが得られるサイト » Logo Faves » LogoGala » Logo of the Day ロゴをテーマにしたブログ » Logo Design Love » David Airey » Logo Designer Blog ロゴデザインチュートリアル » Zeeのロゴをillustratorで作る方法 » オバマ大統領のOのロゴの作り方 » レインボーカラーのロゴを作るチュートリアル ロゴに関する記事やケーススタディー » Henri Ehrhartのブランドデザイン » Miskeetoのブランドデザイン » Butterfield Photographyのロゴデザインプロセス よくまとまって
コミック版『狼と香辛料』の作画を手掛ける小梅けいと先生と、TVアニメ『狼と香辛料II』で賢狼・ホロを演じる声優・小清水亜美さんの対談をお届けする。 コミック版『狼と香辛料』は、支倉凍砂先生が手掛ける電撃文庫『狼と香辛料』(アスキー・メディアワークス刊)のコミカライズ作品。コミック誌『電撃マ王』に連載されており、これまでにコミックス3巻までがリリースされている。 また、小清水さんが出演する『狼と香辛料II』は、そのアニメ化作品。高橋丈夫さんが監督を、荒川稔久さんが脚本を担当しており、アニメーション制作はブレインズ・ベース/マーヴィージャックとなっている。またアニメイトTVでは、ロレンス役の福山潤さんと小清水さんがパーソナリティを務めるWebラジオ『小清水亜美・福山潤のオオカミックラジオII』が配信中。興味がある人は、ぜひチェックしてもらいたい。 では以下に、『電撃マ王9月号』に掲載された小梅
アスキー・メディアワークスから発行されている電撃文庫『狼と香辛料』の作者・支倉凍砂先生のインタビューをお届けする。 『狼と香辛料』は可憐な少女の姿をした狼の化身ホロと、各地を旅する行商人クラフト・ロレンスの旅路と心の交流を描いたファンタジー作品。イラストは文倉十先生が手がける。ホロとロレンスが道中で繰り広げる洒脱(しゃだつ)なやり取りや、商人同士の静かで熱い駆け引きが丁寧に描かれており、中世ヨーロッパをイメージさせる世界観でありながら、いわゆる“剣と魔法の世界”とは一線を画した内容で注目されている。 2009年7月からは、第2シリーズとなるTVアニメの放送がスタート。さらに『電撃マ王』では、小梅けいと先生によるコミック版『狼と香辛料』が連載中となっている。では以下に、支倉先生のインタビューを掲載していくので、本作のファンだという人は、ご一読いただきたい。 ――アニメ第2期をご覧になっての感
7月頃、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 」に関する原稿を書いたのですが、諸事情につき刊行されない運びとなったとのことなので、せっかくなのでウェブサイト上にアップしたいと思います。約8,000字です。 ■ 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』(以下、『新エヴァ』と略す)の総監督である庵野秀明は、いまから約三年前にあたる二〇〇六年の九月に、同作品を制作するにあたって「我々は再び、何を作ろうとしているのか?」と題された所信表明を公開している(注1)。そこでは次のように書かれていた。なぜいまエヴァの再映画化を手がけるのか。それは「疲弊しつつある日本のアニメーションを、未来へとつなげたいという願い。蔓延する閉塞感を打破したいという願い」を実現するためである。もちろん、いまさら十年以上も前の作品を映画化するのか、という思いはある。事実、「エヴァはもう古い、とも感じ」る。しかし、庵野はこうも断言している。「この
ヱヴァ破について考えている中、↓こういう言葉を読んで思いついたことを、書き留めてみます。 春録 映画にとって大切なことは「テーマ」じゃない。僕は何度も言った。「文にできる伝えたいことがあればそれを書けばいい。語りたいストーリィがあるのなら小説を書けばいい。映画を撮るのなら、映画にしかできないことをやるべきなんだ」。 上記のような「映画観」は、しごくまっとうで健全な映画観でしょう。映像作家にとって「常識(コモンセンス)」と言ってもいい考え方だ、と思います。 ただ、こういうありがたい言葉も、「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」「薬も過ぎれば毒となる」――「分別過ぐれば愚に返る」と言うべきか、ナイーブにこのことばかり考えていたら、本質から逸脱してしまいそうな心配もあります。 つまり、「映画の本質はテーマじゃない」という思想が、いつの間にか「映画でテーマをやってはならない」「良い映画にはテーマなんて
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