高橋 直矢、池谷 裕二、松木 則夫 東京大学 大学院薬学系研究科 DOI:10.14931/bsd.483 原稿受付日:2012年1月31日 原稿完成日:2012年2月10日 担当編集委員:林 康紀(独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター) 英語名:Hebb's rule 独:Hebbsche Lernregel 仏:Règle de Hebb 同義語:ヘッブ則、ヘブの学習則、Hebb's postulate、Hebbian learning 1949年カナダの心理学者ドナルド・ヘッブにより提唱された概念である。ヘッブはまず神経活動における「cell assembly(細胞集成体)」という概念を打ち立てた。ある受容器が刺激された場合には、それに応じて活動する細胞群によって細胞集成体が形成され、それはひとつの閉じた系として短時間活動できるようになると推測した。記憶とはそうした反響性