タイの首都バンコクで10日、首相を失職したインラック氏を支えるタクシン元首相支持者(赤シャツ)が大規模な集会を開始した。赤シャツのデモはインラック氏失職から初めて。一方、反政府派はこの日も首相府や主要テレビ局の包囲を続けた。展開によっては、緊張がにわかに高まる可能性がある。 タクシン派組織「反独裁民主同盟」(UDD)がデモ会場に選んだのは、バンコク都心から西に約25キロ離れた郊外。反政府派と衝突が起きて暴力が拡大し、軍の介入などを招くことを避けるためだ。 集会の目的も、上院による暫定首相の指名といった超法規的措置やクーデターを呼び込もうとする動きを、動員力を見せつけて牽制(けんせい)することに重点を置く。インラック氏は失職したが、与党・タイ貢献党の選挙管理内閣が続く限りは受け入れるというのが基本的な立場だ。