5月にニューヨークで行われた『モンキービジネス』刊行記念イベントには柴崎友香さんも参加した ?Michael Vito 受賞は逃したが、東野圭吾さんの代表作『容疑者Xの献身』の米エドガー賞候補入りは、米で日本の文芸作品が着実に評価されていることを裏付けた。人気コミックや村上春樹さんの小説に続く日本産の有力コンテンツを送り出そうと、出版社や編集者らがさまざまな取り組みを始めている。(海老沢類) ◇ 「今年最高の出版物の一つ」。『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』でピュリツァー賞と全米批評家協会賞をダブル受賞した米作家、ジュノ・ディアスさんがこんな推薦文を寄せたのは、柴田元幸・東京大教授が米の日本文学研究者と共同編集した文芸誌『モンキービジネス』英語版だ。小野正嗣(まさつぐ)さんや柴崎友香(ともか)さんら日本人作家の短編小説の英訳に加え、米作家の書き下ろしも