大大阪(だいおおさか)時代――。大正から昭和初期にかけて、東洋一の商工地として栄えた大阪市がこう呼ばれた時代がある。当時に完成した歴史的建造物には、陳腐化しない“老いない古さ”がある。それを現代にアレンジして、資産価値を高めようとする事業が増えている。 大阪の代表的なオフィス街である淀屋橋。南北に伸びるメーンストリートの御堂筋から東に200mほど入った場所で、鉄筋コンクリート(RC)造の地下1階、地上13階建ての分譲マンション「グランサンクタス淀屋橋」の新築工事が最盛期を迎えている。設計はIAO竹田設計、施工は鹿島が担当。4月上旬に上棟する計画だ。 オリックス不動産が開発を手掛け、鹿島が施工するマンション「グランサンクタス淀屋橋」の工事現場。保存する旧大阪農工銀行ビルの外壁を内側から見る。工期は2011年4月から13年9月まで。12年8月に撮影した(写真:鹿島) 「ここで約100年前にでき
![大大阪時代の外壁だけ「曳き家」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/6ba0be5e8d4d349ca1dc5188862cea32a77e2349/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fkn%2Farticle%2Fbuilding%2Fnews%2F20130328%2F608710%2Fthumb_720_100.jpg%3F20220512)