インターネットの普及は、ビジネスや生活に大きな恩恵をもたらした一方で、新たな問題も生じさせた。その1つが、いわゆる「炎上」である。この炎上問題について、計量経済学を用いた定量的な研究に取り組むのが、慶應義塾大学 准教授・国際大学GLOCOM 主幹研究員の田中辰雄氏と、国際大学GLOCOM 助教・専任研究員の山口真一氏だ。両氏による共著『ネット炎上の研究:誰があおり、どう対処するのか』の出版を記念して、炎上事例と分類、炎上参加者のプロフィール、炎上参加者はどのくらいいるのか、どのように予防・対処すればよいかといった観点から、最近の調査と知見が披露された。両氏の講演内容から炎上について考察していく。 炎上はFacebookよりもTwitterに多い、その理由とは? 最初に登壇した山口氏は、「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」というテーマで講演を行った。同氏は炎上について「ある人物や企業が発信し