海外で働くということ 1ヶ月ほど休みを取って、その国に行き、仕事を探すつもりだ。そういう意味のことを、その人はいっていた。そして欧州のある国の名前を挙げた。知的で真面目そうな風貌。それなりの年代だろうか。そして続けた。日本で求職活動をしても、時間ばかりかかって、埒が明かない。やはり現地に行った方が早い、と。 近くのテーブルで耳に入っただけだから、わたしが何かコメントする立場にはない。しかし思った。(この人は中年過ぎて外国人労働者になるのか。それがどういう事なのか、分かっているのかな。家族も居るようだが、どう思っているのだろうか) 『外国人労働者』という言葉は、日本ではなぜか、単純労働者のことだけを指すようだ。だが大学出の知的職業だろうが何だろうが、自営業のプロフェッショナルでない限り、組織に雇われて働くものは労働者だ。そして外国、とくに欧米で働いて、なおかつ一定のリスペクトを受けて自分の地