2010年のマンガ大賞を受賞した風呂マンガ「テルマエ・ロマエ」と、作者のヤマザキマリさんの作品を全部読んだ。 「テルマエ・ロマエ」(すでに数十万部のベストセラー。今はどれくらいの数字になっていることやら)の斬新かつ強引な物語にも舌を巻いたが、このあたりはそのうちまた改めて。 ただおもしろさに関しては08年の「それではさっそくBuonappetito!」もひけを取らない。読み応えという意味では「テルマエ」を上回っていると思う。 「それではさっそく……」は作者がこれまでかかわった思い出深いメシについて語るエッセイコミック。メシエッセイが好きな私にとっては、小躍りしたくなるくらいの大収穫であった。 作者のヤマザキさんは変わった人生経歴のオーナーで、17歳で画家になるためにフィレンツェへ留学。11年間をイタリアで過ごし、北海道の大学でイタリア語を教えつつ、ローカルテレビ局でレポーターやラジオのパー