ブックマーク / active-galactic.hatenablog.com (31)

  • 人工知能:東大入試からシンギュラリティまで - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    メディアや他の方がいくつか報告を上げているが、土曜日に『ロボットは東大に入れるか』の講演を聞きに行ったので気づいたことなどをメモしておこう。 人工知能にとっては、センター数学よりも東大二次数学の方が解きやすいことや、図形や文の構造を理解することがどうしようもなく難しいことなど、AIと人間の違いに関するいくつかの側面を興味深く受け取った。 「人間のように思考する」といった曖昧で高すぎる目標ではなく到達度を客観的に評価しやすい入試問題をターゲットに選んだのはよい着眼点だと思う。もし2021年までに、東大入試クラスの読解力や問題処理能力を獲得したならば、技術文書を要約したり、国会答弁を自動生成したり、様々な産業応用が可能になるだろう。 模試の結果はもっと惨憺たる有り様になると思っていたが、センター試験では 387/900、2次試験は(今回は数学のみだが)合格者平均を超えるなど、予想していたより結

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  • 天体衝突とはどのような災害か - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    図0. 地球に衝突する小惑星の想像図(直径10km) 最近、ロシアの大火球で1000人以上の負傷者が出た。直後に小惑星2012 DA14が地球をニアミスするなど天が慌ただしい。 天体衝突は小さな天体でも巨大な擾乱を引き起こす。生み出された衝撃波の威力に驚いた方も多いだろう(図1)。原子爆弾と同程度のエネルギーが解放されたが、高高度で爆発したため数十キロ圏に薄まった影響で済んでいる。 居住地に落ちることは珍しいが、今回の衝突は20年に1回くらい地球のどこかで起きている。日に限定するなら20000年に1回くらいの事象だろう。*1 図1. 爆風の強度 (上) 響き渡る衝撃波の轟音 (下) 音はないが、物を吹き飛ばして屋内に吹き込む爆風の強さがみてとれる。この風の強さから衝撃波のエネルギーを類推することが出来る。 天体衝突は流れ星から大量絶滅まで幅広いが、ハザードの規模やリスクについて大まかに触

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    Nao_u 2013/02/16
  • 現代技術でメタルスライム族を乱獲するには - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    ドラゴンクエストIXの国勢調査によると、もっとも狩られているモンスターはメタルキングだ。その数は2億匹を越え、人類の強欲によっていかに簡単に生物が絶滅させられ……という話はさておき、現代でメタルスライム族を狩るとしたらどういう手法があるだろう。 磁場 導体が強磁場を横切ると誘導電流が発生して、大きな制動が生じる。水飴で満たしたようにうごきを鈍らせることができるかもしれない。 また、強力な磁石がまかれた場所を、高速で突破しようとすれば、天空に弾き飛ばされることになる。メタルボディには不快な環境だ。 鉄のように磁石にくっつく体質な場合、捕まえるのはより簡単になる。一方、デイン系でまったくダメージを受けないことから室温超伝導体だと仮定した場合*1、別の調理法がある。 液体金属脆化 水銀やガリウムなどの液体金属は、メタルスライム族にとって猛毒になりうるだろう。身体を侵蝕しボロボロにしてしまう可能性

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  • 宇宙の果てや加速膨張はどう観測されるか - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    宇宙をのぞきこんだとき、最も深い世界はどう見えるだろうか。 Hubble Ultra Deep Field ちょうど2011年のノーベル物理学賞が『宇宙の加速膨張』になったので、現在観測される宇宙の全体像について簡単に触れてみよう。例えば次のような誤解を聞くが、実際はどうなのだろう。 誤解の例 同じ大きさの物体は遠くにあるほど小さく見える。 100億光年はなれた銀河は、100億年前に100億光年離れた場所にあった。 宇宙は光速で膨張している。 宇宙が2倍になると原子の大きさも2倍になる。 A. 超遠方宇宙の概要 宇宙といえど無限の奈落ではない。夜空を見上げた視線は観測可能な宇宙の果てにつきあたる。超遠方の天体は宇宙の果てに近いほど次の性質を示す。 若い 赤い 時の流れが遅い 大きく見える 暗い A1. 遠い宇宙は若い 遠い宇宙は太古の宇宙だ。遠い宇宙から地球に光が届くのには時間がかかる。遠

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    Nao_u 2011/10/14
  • 1kgの鉄と1kgの鉄、どちらが重い? - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    同じ質量の綿と鉄はどちらが重いか。 この問題は簡単ではない。どんな質量の綿や鉄を想定するかによって答えは違う。例えば、1000億太陽質量の鉄と綿だったら両者とも即座にブラックホールだ。両者の終状態はほとんど変わらない。ブラックホールは元の天体が持っていた個性をベリベリと引き剥がしてしまう。 では、もっと質量を減らして1億地球質量だったらどうか。 1億地球質量の綿と1億地球質量の鉄、どちらが重い? だいたい恒星質量の上限域に相当する。300太陽質量だ。 綿は自己重力で潰れていき、位置エネルギーの解放によってどんどん温度を上げる。中心部の温度は100万Kを超え水素の核融合が起こる。巨大な赤ちゃん星の誕生だ。莫大なエネルギーが発生し物質が宇宙空間に激しく流出する。ただし、綿は質量の大部分を炭素と酸素が占めており、恒星と白色矮星の中間のような組成だ。わずかな水素を使い果たすまでは延命すると予想はし

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    Nao_u 2010/12/13
  • 探査機「はやぶさ」と、それから - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    巷に吹き荒れた突風に触発されて「はやぶさ連鎖(凱旋版)」を作ってみる。 「隼」の文字が燃えながら蒸発していくが、保護された固ぷよは無傷のまま地上に到達みたいなコンセプトで さて、題 ここ一ヶ月ぐらい、はやぶさが作り出した巨大な風に驚いている。地球を出発前するのネット界隈を思い出すに、購読していた惑星協会のメルマガですこし宣伝されていたなあ、くらいの印象しか残ってないが、帰ってくるときにはニューヨークの戦勝凱旋パレードよろしく熱狂的な歓声につつまれている。*1 もう満点の成功とはなにかについて説明する必要はないし、工学試験衛星とならんで「探査機」という言葉を前面に押し出すことになんの不安もない。広報の面でも実証の面でも非常に成功したプロジェクトだ。今後サンプルの有無にともなう多少の非難があったとしても、それを吹きとばせるだけの流れがある。 旋風の行方 ただ、これほどの旋風が今後どういう方向

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    Nao_u 2010/06/21
  • リテラシー・チェックテスト:ぷよぷよ編 - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    「ぷよぷよ」関連エントリはどのくらい踏み込めるか距離感を掴めていない。「ぷよぷよ」タグのブクマや twitterを見ていると「折り返し」のような単語が平然とに出てくるし、シリーズ累計で1000万は売れているので、ある程度は気の向くままに書いて問題はなさそうだが、平易に言い替えたつもりでも傍から見て前人未到のジャーゴン山脈になっているケースがある。 というわけで、ここに来る方々が「ぷよぷよ」についてどのくらい前提知識があるのか知りたいので、以下のようなテストを作ってみた。もし興味があれば挑戦してみてほしい。 知っている事柄であれば書かれた点数を加点 [各1点] おじゃまぷよ、連鎖、ばよえーん、サタン、アルル、フィーバー [各10点] GTR、かえる積み、階段積み、連鎖尾、挟み込み、ルイパンコ [各100点] kenny式、三強、接地キャンセル、凝視、ペルシャ、クロス [各1,000点] I

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  • ベテルギウスの最期:超新星の兆候とその威力 - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    最近、オリオン座のベテルギウスに関して"刺激的な"タイトルのニュースが流れた。オリオン座は覚えやすく都会でも楽しめる手軽な星座だ。そのオリオンが肩を壊すかもしれないとなれば書かざるを得ない。 重い星の死 天蓋にぶら下がる星々は永遠の存在ではなく、だいたい数百万年から数兆年の寿命で移ろいゆく。ヒトの死が多様であるように、星の死にもまた個性がある。それは体重や組成、相方の有無などによって決まり、静かに冷たくなることもあれば、木っ端微塵に吹き飛ぶこともある。ベテルギウスのような重い星は、超新星と呼ばれる大爆発によって焼死する。爆発の閃光はひとつの銀河に匹敵するほどであり、ベテルギウスのような至近爆発ともなればどのような状況が生じるのか興味は尽きない。そして、爆発はどのくらい差し迫っているのだろう。 どのような超新星を起こすのか ベテルギウスは水素をたっぷり含んだ赤色超巨星なので、もし今爆発するな

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    Nao_u 2010/02/13
  • 「大質量の天体」≠「地表重力が強い」:宇宙におけるサイズと密度の関係 - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    海洋惑星の候補となるスーパーアース(GJ 1214b)が発見されたようだ。その話題で気づいたのだが「大きな惑星は当然重力が強い。人間が住むには不適だ。」そう漠然とイメージされているケースが多い印象を受けた。 小天体はともかく大型惑星の地表重力をその大きさだけでイメージすることはあまり望ましくない。例えば、太陽系の惑星の表面重力は以下の通りだ。 木星は300地球質量という莫大な物質を集積した惑星だが、それでも高々2.4Gしかない。人間が耐えられるレベルだ。他の大型惑星は地球と同等か、むしろ地球より表面重力が小さい天体さえある。系外惑星の例では木星より一回り大きな(HD 209458 b)の表面重力が0.9G程度だ*1。「比較対象がガス惑星ばっかりじゃねーか」という物言いは当然あるだろうが、地球型惑星でもそう事情はかわらない。今回発見されたGJ 1214bは地球よりずっと巨大な惑星だが表面重力

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    Nao_u 2009/12/20
  • 撤去されない自転車をつくる技術 - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    「駅前に放置された自転車が撤去される。リスクは認識して停めたはずなのにやられると悔しい。」そんなエピソードは世にありふれている。老若男女、国籍や学識を問わず、「放置→撤去」のコンボは後をたたない。 自転車が撤去されるリスクを取り除くには、駐輪場を探すか折り畳んで持ち運ぶか、いずれにせよ少しの労力で解決できる手段が用意されている。しかし、それすら面倒なようで、大量の自転車が駅前に駐輪されている。この状況に対して自治体は長年に渡って、社会インフラの整備や意識改善・・・(以下略 御託はさておき、自転車は撤去されたくないが我慢はしたくないという人が一定数あるようなので、我慢させるよりもイノベーションで富裕層向け(?)のハイテク自転車でもつくったら需要は・・・・・・・、無いだろうけど考えてみる。 いかにして自転車は撤去されるのか まず、自転車の撤去手順だが概ね次のような感じだ。 駅前に放置する 職員

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  • 宇宙戦艦はなぜ白い - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    SFに出て来る純白の宇宙戦艦って、カラフル兵士なみに違和感ある。なんでそんな目立つ色なの?見つけてほしいの?的になりたいの?映像表現と大人の事情だから不問なの?そんな風に突っかかった年頃があったような気がするが、懐かしすぎて何歳のころだったかすら思い出せない。 黒い宇宙船(左)と、白い宇宙船(右):左の輪郭はイメージ。 上の画像(左)では輪郭をつけているが、黒い宇宙船は宇宙空間に完全に溶け込んでしまう。輪郭線を取り払ってしまえばただの何も無い空間だ。 作品空間でのご都合設定ならともかく、現実の延長線上としての軍用システムが迷彩を意識しないとは考えがたい。ただ黒く塗るだけでなく、レーダー波吸収構造から液体ヘリウムによる表面冷却まで、あらゆる手を使って検出を逃れようとしても不思議ではない。 でも、リアルで黒い宇宙船なんて聞かないよね 現実世界で軌道上にある宇宙船や人工衛星はことごとく真っ白だっ

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    Nao_u 2009/10/04
  • 太陽の光はどこまで届く? - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    これからの季節、大いなる正午の直射日光は、それに照らされた鉄路の小石ですらその一つ一つをギラギラと輝かせる。 太陽、この偉大な天体の明るさはさらに一段上の形容詞が必要なほどで、「死と太陽は直視できない」とまでいわれる。うそだと思ったらほんの1分ほど太陽を見てみよう、みごとに目から光をくりぬかれることになる。 それほど激烈な光を放つ太陽ではあるが、その明るさが無限ではない以上、十分な距離をとってしまえば、ずいぶん小さく頼りないものになってしまうだろう。太陽から離れ、果てしない旅路の果て、いずれは太陽の光を肉眼ではもう認められなくなる時がやってくる。 実視6等を限界とすれば、その距離は約50光年だ。 意外と近いと思った人も多いのではないだろうか。高々50光年、宇宙の話題ではまるでご近所のように書かれるが、それは太陽クラスの光がその方角にありながら視界か失せてしまうほどの距離だ。 夜空の深さを探

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    Nao_u 2009/07/25
  • 「しりとり」の戦いかた、すこし反省した - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    「しりとり」は経験者人口が極めて多いゲームだけど、鬼神のごとき強さで他を圧倒するしりとりプレイヤーを私は知らない。ちょっと真剣に戦ってみたところで、 そんな程度のレベルで満足していやしないか。 さいしょは「る」の同字返しでガッチリ組み合う。先に「る→る」のストックが切れて、「る」で返せなくなったほうがひたすら「る攻め」で投げられ続ける。 小学生の時から進歩していないような、こんな大雑把でマンネリな「る攻め」戦略から脱却できないものか。 攻撃防御比最大の最強文字「る」 復習。周知の事実だが「る」は強い。 下の表は、[A](文字Xで終わる単語)と、[B](文字Xではじまる単語)をその比[A/B]の高いものから順にリストしたものである。標の単語数は20万語であり豚辞書から、伸ばし棒をトリムした上で抽出した。*1 文字X[A]Xで終わる単語[B]Xで始まる単語[A/B] 1位る43235208.

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  • 「ぷよぷよ」で知人が強すぎたとき - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    ながれをぶった切って久しぶりに「ぷよぷよ」の話をする。このゲーム、同じ色のぷよを4つつなげて消すという単純なルールでありながら、クレタ島の地下迷宮のように無限の奥行きがあり、数学的にも甘みがある。 偶然できた4連鎖に驚いたり、普通にみんなで互角にわいわい楽しんだ時期もあった気がするが、しんみりしてしまうのでそれはおこう。今となっては時々思い出したようにオンライン対戦をやる程度で、研究室で話題に出すこともない。もとより実力差とゲーム性の衝突を補正するのが難しい癖のある遊戯だ。一部の人のみにカミングアウトした隠れ趣味となってそれなりの月日が流れた。 人間に溶け込んだ鬼のはなし そんなある日、知り合いが鬼のように強いという噂を聞いた。 最初は「へえ」と、マンションの勧誘に対応するかのようなリアクションになった。これ以上カミングアウト枠を拡大するつもりもなかったし、強いといってもせいぜいで12〜1

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  • テポドンってどんな風に降ってくるのだろう - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    宇宙から目視できるくらいの速度でビーム状の何かが降ってきて大爆発を起こすという描写はゲームやフィクションの世界でしばしば見られる光景だが、現実の世界でこれにもっとも近い光景をあげるとしたら、大強度レーザーなどではなく、おそらくICBMやSLBMなどの長距離弾道ミサイルの類だ。 上の写真はCGではない。アメリカがかつて保有していたICBM (peacekeeper)の大気圏再突入試験のものだ。地上から打ち上げられた弾道ミサイルは、30分程度で数千キロ以上飛行する。遠地点付近でいくつもの弾頭に分かれた再突入体がそれぞれのターゲットに7km/sの極超音速で落下する。再突入体は大気を押しつぶしながら高温になって光り輝き、その表面は蒸発しながら急速に消耗する。実戦ではこの閃光の一の先に核爆発が伴うことになる。 核ミサイルが大気圏に再突入するときに私たちが目撃する光景は、地球上で現実に発生しうる

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  • 宇宙は熱死するの? - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    箱を用意する。 問題を簡単にするため、完全な断熱壁で構成されているとしよう。 箱の中に、熱いガスと冷たいガスを閉じこめてみる。十分な時間が経てば箱の中は熱平衡になって、均一な温度のガスになるだろう。あとは、何億年時間が経っても変化しない。 熱い物と冷たい物が均一の温度になることはあっても、均一の温度の物体が冷たい部分と熱い部分に分かれることは日常世界では経験的に起こらない。 実験その2:銀河系が入るくらい大きな箱で では、箱の大きさを思い切って100万光年ぐらいにしても同じだろうか。 これに既に均一温度になったガスを封入してみる。一見すると箱の中はエントロピー最大で熱的に死んだ世界だ。 前回と同様に、十分な時間をおいてから蓋をあけてみる。さて、そろそろ1億年ぐらい経っただろう。中を覗いてみると、熱いガス塊と希薄で冷たい部分に分かれている。均一な温度と密度のガスから、星や星雲が生まれ一方で広

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    Nao_u 2008/08/19
  • C級の人が総合戦力をA級まで劇的に向上させるためには - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    全てのスキル向上に包括的に挑むのではなく、一時的に特定のスキルに特化して強化することで突破口になる気がする。って、いまから過度の一般化と適当な極論をいうよ。それも、ほんの30分前に思いついたレベルの。 世の中にはマッチョなスーパーハイウェイが用意されているようだけど、そこを走れるのは心肺能力が高い人か、偶々そのような道があることを髄で理解して信仰/実行した人たちだ。 普通の人がただ普通に努力していても、普通以上になるのは確率的少数者だけ。例えば勉強なんかで全科目C評価の生徒がいたとして、その人間がただ努力していればいつかオールA評価になるかというとそんなことはない。もちろん、確率的少数者はオールAになるだろうけどね。大多数は、一通り卒なくこなして 『CCCCC』->『CBCCC』->『BBCCC』->『BBCBC』 ってやっている内に、3年間が終わって受験を向かえてしまう。標準的な人間は期

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  • ねえ、パパ、この望遠鏡買ってー。今なら2000億円だってー。 - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    すばる望遠鏡は世界を代表する望遠鏡の1つであり、8mクラスを1枚鏡で製造した現代の驚異だ。お値段はいろいろ込みで500億円ほどで、50年くらいでの減価償却を予定している。すばる望遠鏡を作る予算を確保するための大人の事情で、東京天文台の組織改変が行われ堂平観が閉鎖された。 ただ、時代は進むものだ。世界では次世代望遠鏡がいくつか建設され、より野心的なプロジェクトも計画されている。日の科学技術予算と天文学のシェアを考えるともう日の国力では手の届かない代物なので、指をくわえつつすこしだけ紹介してみる。日主導はソフトバンクのお父さんあたりが天文学に目覚めてポケットマネーを大放出しない限り無いさそう。 OWL Telescope OWL 100m-telescope ESO OWL望遠鏡(Overwhelmingly Large Telescope)はESO(ヨーロッパ天文台)が計画し技術の限界

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  • 今年夏のサイエンスカフェはゆるふわ空中戦艦で - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    原理は単純で理解しやすく、視覚的に訴えるものがあるよい実験だ。水槽に重たいガスが溜まっているせいで浮いている。ただ、ここで使われているSF6は少々毒性があるので、何をするかわからない子供たちがいる場所で使う際には注意する必要がある。 サイエンスカフェでの質問がマンネリな件ついて ところで、サイエンスカフェや公開日などのイベントでは質問コーナーがある。「相対論は間違っている」と主張する元気なおじさんから、「宇宙ってなんですか」と聞いてくる小学生まで色んな人の相手をする。 それこそ何時間でも受け答えする。質問に答えるのはわりと好きなので、というか興味の無い友人の前で薀蓄を撒き散らすのは非コミュもいいところなのでこういうリミット解除できる場所で嬉々として発散している痛い子な訳だが(そういう意味では2次元に造詣の深いコンデンサーな人たちとかわらない気がする)、彼らの質問は何十年あるいは何百年も昔に

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  • 拷問:ブログのタイトルには気をつけよう、Google的な意味で - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    このブログのタイトルは「Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常」と適当な感じに付けてしまったのだが、当初予期していなかったのは、「拷問」とのアンド検索でくる方が時々いらっしゃるということだ。 彼らの期待に応えるようなコンテンツは用意していないのだが、それにしても世の中にはこんなにも沢山の拷問手法があるのかと驚かされるばかりだ。 一番多いのが「二次元」とのアンド検索、ダントツである。二次元の拷問を見たい人はそんなに多いのだろうか。それ以外の全てを足したのと同じくらい。なるほど二次規制が議論になるわけだ。「画像」が次、まあ画像が見たいのだろう。あとは、「旧ソ連」だの「なめくじ」だの「紫禁城」だの「ブリーフ」だの「鎖」だの「フリーザ」だの「空中」だのマニアックな単語のオンパレード。あらゆる場所、状況、対象に対して拷問という発想は成立するようだ。 凄い発想力というか恐ろ

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    Nao_u
    Nao_u 2008/07/25